『死ぬまでに観たい映画1001本』の各作品の概要60年代までできました1960年代リスト(後半)

『死ぬまでに観たい映画1001本』1980年代リスト(後編)

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この記事では、『死ぬまでに観たい映画1001本』全リスト作品の概要を簡単に説明しています。

全部は紹介しきれないので年代別に分けています。

ここでは、1980年代後半の、1985年から1989年までの作品を紹介します。

かんとくさん

今日も映画を見るぞ

あおい

いいですねぇ

各映画の概要は簡潔に紹介しています。考察はほとんど書いていません。考察よりも、まずは感覚を楽しんでいただき、次にあなたの心を動かしてもらいたいのです。

人生の岐路において、役立つ映画がここでもわんさかと掲載されています。

興味がある作品はどんどん鑑賞していきましょう。そして次の興味をひきだして、映画ライフを充実させていきましょう。

かんとくさん

80年代も有名な映画いっぱいあるね

あおい

懐かしい映画もたくさんありますよ

記事を順番に見ると長くなるので、こちらの一覧リストから見るといいです。

あおい

このリストにある作品名から記事に飛べます

なお、80年から84年までの概要はこちらです。

目次

1985年

1985年を象徴するイメージ画像です。

女と男の名誉

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0747)

監督:ジョン・ヒューストン

129分/アメリカ
原題または英題:Prizzi’s Honor

配給:角川ヘラルド・ピクチャーズ

マフィアの世界を舞台にした異色のラブストーリー兼ブラックコメディです。

名門マフィア一家プリッツィ家に仕える殺し屋のチャーリーは、結婚式で美しい女性イレーネと出会い恋に落ちます。しかし、彼女も実は冷酷なプロの暗殺者でした。二人の愛は深まっていきますが、マフィアの掟や仕事上の対立により、最終的には愛する人と組織への忠誠のどちらを選ぶかという残酷な選択を迫られることになります。

血と暴力に支配された裏社会での愛の物語を、独特のユーモアを交えて描いています。

アンジェリカ・ヒューストン(監督の娘)がマフィアのボスの娘役でアカデミー賞助演女優賞を受賞しました。冷酷な物語を皮肉とユーモアで包んだ巧妙な演出や、悲劇と喜劇の境界を軽やかに越えたとも言えます。

シリアスで危険な状況を皮肉とブラックユーモアで描く独特のトーンが魅力的です。マフィアの冷酷な論理と人間らしい感情が衝突する瞬間に、観客は笑いながらも背筋が寒くなるような複雑な感覚を味わいます。

この映画は「愛と忠誠のどちらを選ぶべきか」という、現代でもありがちの問題について考えさせられます。

どれほど情熱的な愛であっても、社会のルールや立場によって引き裂かれることがあり、その時に人は何を最優先するかという重い選択を迫られます。愛の美しさと残酷さを同時に描き出した作品なのです。

童年往事/時の流れ

画像引用元:映画.com

(NO.0748)

監督:侯孝賢(ホウ・シャオシェン)

138分/台湾
原題または英題:童年往事 A Time to Live and a Time to Die

配給:シネセゾン

台湾の侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督自身の少年時代をもとにした自伝的作品です。1950年代から1970年代にかけて、中国本土から台湾に移住した家族の少年アハの成長を通して、一つの家族の歴史と台湾社会の変化を描いています。祖母や父の死、貧しい生活、友人との別れ、初恋など、人生の様々な出来事を劇的に演出するのではなく、日常の断片を静かに積み重ねることで、時の流れと人間の成長が描かれています。

派手な演出に頼らず、日常生活の細かな描写を通して人生の本質を描き出す手法が世界中の映画関係者から注目されました。

大きな事件や劇的な展開ではなく、日常生活のささやかな瞬間を丁寧に積み重ねることで、観客に「人生の実感」を呼び起こさせる独特な演出が魅力的です。

台湾の風景や当時の生活の細部が美しく撮影されており、まるで自分自身の記憶や体験を振り返っているような感覚を味わえます。長回しの撮影技法により、時間の流れがそのまま映像として表現されています。

人生とは別れや喪失の連続であり、その痛みもまた生きることの重要な一部です。

時間の流れは止めることができませんが、その中で築いた人との絆や大切な記憶こそが私たちを支える力になります。個人の体験を超えて、誰もが共感できる「生きることの意味」を問いかけてくれます。

ブレックファスト・クラブ

画像引用元:映画.com

(NO.0749)

監督:ジョン・ヒューズ

97分/アメリカ
原題または英題:The Breakfast Club
配給:新文芸坐

1980年代を代表する青春映画の傑作です。土曜日の居残り(デテンション)に集められた5人の高校生が主人公で、それぞれ全く違うタイプの学生たちです。真面目な優等生のクレア、反抗的な不良のベンダー、スポーツ万能のアンドリュー、内向的で芸術的なアリソン、そして人気者のブライアンが、一日を図書館で過ごすことになります。最初はお互いを避けていた彼らでしたが、次第に本音で語り合うようになり、表面的なレッテルの奥にある本当の自分や悩みを打ち明けていきます。

青春映画の金字塔として現在でも愛され続けています。高校生の一日だけを描いたシンプルな設定で普遍的な人間ドラマを生み出した作品です。

学校の図書館という限られた空間で展開される会話劇が魅力的です。派手なアクションや大きな事件は起こりませんが、誰もが学生時代に感じたことのある「居場所のなさ」「理解されたい気持ち」「大人や社会からの期待へのプレッシャー」などが生々しく描かれています。

1980年代の音楽やファッションも作品の魅力を高めています。

人は見た目やレッテルだけでは判断できないのです。

全く違う世界に住んでいるように見える人同士でも、心の奥底にある悩みや孤独感は共通していたりします。

デヴィッド・ボウイの「Changes」の歌詞の一部も出てきます。「そして、あなたが世界を変えようと唾を吐く子供たちは、あなたの相談など受けません。彼らは自分が何をしようとしているのかよく分かっています。」

炎628

画像引用元:映画.com

(NO.0750)

監督:エレム・クリモフ

143分/ソビエト連邦
原題または英題:Come and See
配給:松竹富士クラシック=松竹富士

第二次世界大戦中のベラルーシを舞台にした戦争映画の傑作です。村に住む少年フリョーラがパルチザン部隊に憧れて参加しようとしますが、ナチス占領下の現実は彼の想像をはるかに超える残酷さでした。村の虐殺、家族の死、そして人間の尊厳が踏みにじられる光景を目撃した少年は、一日にして老人のような表情に変わっていきます。無垢な少年の目を通して、戦争の本当の姿を容赦なく描いた作品です。

「戦争映画史上最も重要な作品の一つ」として語られている作品。戦争を美化せず、その真の恐ろしさを描いた反戦映画の最高峰でもあります。ソ連映画でありながら西側諸国でも高く評価され、戦争の記憶を風化させないための重要な証言として位置づけられています。

長回しや極端なクローズアップ、轟音のサウンドデザインにより、観客が戦場の地獄に放り込まれたような強烈な没入感を生み出します。

主人公の少年の顔の変化は、戦争が人間に与える精神的ダメージを視覚的に表現した映画史上稀有な演出です。戦闘の興奮ではなく、人間の尊厳がいかに奪われるかを目撃させる点に真の迫力があります。

目をそむけたくなるような残虐な感情を持つかもしれません。しかしそういう映画をトラウマ的に記憶に残るだけでも、戦争の悲惨さや、人間の本能の恐ろしさなど、必ずあなたの人生にプラスになることがあります。

戦争の犠牲は数字や統計ではなく、一人ひとりの具体的な人生にあるのです!

人間が極限状態でどう変化するか、平和がいかに貴重で脆いものかを実感させます。過酷な現実を直視することで、映画の持つ教育的価値を体現することになるでしょう。

ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0751)

監督:ポール・シュレイダー

120分/アメリカ
原題または英題:Mishima: A Life in Four Chapters

日本公開情報なし

日本の作家・三島由紀夫の生涯を描いた伝記映画です。映画は「美」「芸術」「行動」「和諧の破綻」という四つの章で構成され、三島の人生と彼の代表作『金閣寺』『奔馬』『鏡子の家』の内容を巧妙に組み合わせながら物語が進みます。三島の文学的な世界観と現実の人生を交錯させ、最終的に1970年の市ヶ谷駐屯地での自決に至るまでの精神的な軌跡を追っています。フィリップ・グラスによる印象的な音楽も作品の重要な要素となっています。

映画史上最も美しい伝記映画の一つとも言われています。海外では「文学と映画の見事な融合」「視覚的に圧倒的な芸術作品」と絶賛されています。

現実の三島の人生と彼の小説の世界を自由に行き来する独創的な構成が印象的です。三島文学の精神世界を色鮮やかで象徴的な映像として具現化した美術表現により、観客は三島の思想や美学を理解するというより「体感する」ことができます。

美と芸術に対する情熱をどのように人生に反映させるかや、理想と現実の間でどう生きるべきかについて深く考えさせてくれます。

三島の極端な選択に同意するかどうかは別として、自分の信念に従って生きることの意味と代償について、見る者それぞれが自分なりの答えを見つけることができるでしょう。

なお、この作品は「ナレーション以外は全部日本語なのに未公開」「日本未公開で一番知られている映画」でもあります。

日本未公開の理由は、三島由紀夫の遺族(特に妻・瑤子夫人)が映画の上映・配給を認めなかったからです。著作権や肖像権に関わる部分で法的にストップがかかった形です。現在でも未公開です。

愛と哀しみの果て

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0752)

監督:シドニー・ポラック

161分/アメリカ
原題または英題:Out of Africa

配給:UIP

デンマーク人作家カレン・ブリクセンの自伝的小説を映画化した壮大なラブストーリーです。20世紀初頭のケニアを舞台に、デンマークからアフリカに渡った女性カレンが、結婚生活の破綻を経て、自由を愛するハンター・デニスと運命的な恋に落ちる物語です。しかし、束縛を嫌うデニスとの価値観の違いや時代の変化により、二人の愛は様々な試練に直面します。アフリカの雄大な自然を背景に、愛と別れの美しくも切ない物語が描かれています。

アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、美術賞、録音賞、作曲賞の7部門を受賞する快挙を成し遂げました。アフリカの壮大な自然と人間ドラマが見事に融合した叙事詩で、静かで私的な語り口が特徴です。

アフリカの息をのむような美しい大自然を背景に描かれる愛と孤独の物語が印象的です。

真の愛とは相手を束縛することではなく、お互いを尊重し自由を認め合うことであるにあります。

雄大な自然に囲まれることで、人間がいかに小さな存在でありながらも、同時に尊い価値を持つかを実感させてくれる、人生の喜びと哀しみを深く描いた作品となっています。

画像引用元:映画.com

(NO.0753)

監督:黒澤明

162分/日本・フランス
配給:KADOKAWA

戦国時代を舞台に、年老いた武将・一文字秀虎が三人の息子に家督を譲ろうとしたところから始まる、家族同士の激しい争いを描いています。

この映画の元になったのは、シェイクスピアの有名な悲劇『リア王』と、戦国武将・毛利元就の「三本の矢」という有名な教えです。黒澤監督は「もし兄弟が協力しなかったらどうなるか?」という疑問から、この壮大な物語を作り上げました。

アカデミー賞では監督賞を含む4部門にノミネートされ、衣装デザイン賞を受賞しました。日本では黒澤明の代表作としてまずあがらない作品ですが、海外では絶大な人気があり、海外の評論家の多くの人は、ベスト映画の一つにあげるほどです。

見どころは、何百人ものエキストラが参加した迫力満点の合戦シーンと、燃え上がる城を背景にした美しくも恐ろしい映像です。

権力や欲望に支配されることの怖さと、家族の絆がいかに大切かを考えさせられます。「人間の愚かさ」を天から見下ろすような視点で描き、戦争の無意味さや、人が争うことの悲しさを訴えています。

美しい映像の中に深いメッセージが込められた、映画芸術の傑作なのです。

バック・トゥ・ザ・フューチャー

画像引用元:映画.com

(NO.0754)

監督:ロバート・ゼメキス

116分/PG12/アメリカ
原題または英題:Back to the Future
配給:TCエンタテインメント

高校生のマーティが、変わり者の科学者ドク・ブラウンが発明したタイムマシンで、偶然30年前の1955年にタイムスリップしてしまうお話です。

過去の世界で、マーティは若い頃の両親に出会います。ところが、お母さんがマーティに恋をしてしまい、お父さんとお母さんが結ばれなくなる危険が!このままでは自分が生まれなくなってしまうので、マーティは二人をくっつけようと必死に頑張ります。

この映画は世界中で大ヒットし、1985年の全世界で最高の興行収入を記録しました。今でも多くの人に愛され続けている名作です。日本でも全く映画に興味を持たない人でもこの映画のことは知っている人が多く、今でも年齢を問わず知名度は抜群ですよね。

この映画の魅力は、ハラハラドキドキするタイムトラベルの冒険と、笑えるシーンがたくさんあることです。特に、マーティとドクの友情や、過去と現在が繋がっていく面白さが見どころです。1950年代のアメリカの雰囲気も楽しめます。

未来は自分の行動次第で変えられるということをかみしめましょう!

勇気を出して行動すれば、きっと良い未来が待っているという希望に満ちたメッセージが込められた作品です。

未来世紀ブラジル

画像引用元:映画.com

(NO.0755)

監督:テリー・ギリアム

142分/G/イギリス
原題または英題:Brazil
配給:20世紀フォックス映画

コンピューターで何もかも管理された近未来の社会を舞台に、そこで働く小さな公務員サムの物語を描くSF映画です。

この世界では、政府が人々の生活を細かく管理していて、少しでも間違いがあると大変なことになってしまいます。サムは毎日つまらない仕事をしていますが、夢の中では空を自由に飛び回るヒーローになって、美しい女性と出会います。やがて現実でも、夢に出てきた女性そっくりの人に出会い、彼の人生が大きく変わっていきます。

今でもカルト的な人気を誇る名作として日本でもよく知られています。独特な映像の美しさと、政府の管理社会を皮肉ったブラックユーモアが印象的です。

レトロで不思議な未来世界のビジュアルと、夢と現実が混ざり合うストーリーは大きな見どころの一つ。

監督のテリー・ギリアムは、有名なコメディグループ「モンティ・パイソン」の出身で、その独特なセンスが映画全体に表れています。

「自分らしく生きること!」がいかに大切か、この映画からも教えてくれますね。周りに流されず、自分の夢や理想を持ち続けることの意味を考えてみましょう。

蜘蛛女のキス

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0756)

監督:エクトール・バベンコ

121分/ブラジル・アメリカ・アルゼンチン
原題または英題:Kiss of the Spider Woman
配給:日本ヘラルド

南米のある刑務所で、全く違うタイプの2人の男性が同じ部屋に入れられたところから物語が始まります。1人は政治活動をしていて捕まったバレンティン、もう1人は同性愛者のモリーナです。最初は2人とも相手のことを理解できませんでしたが、モリーナが昔見た映画の話を毎日語って聞かせるうちに、だんだんお互いを理解し、友情が生まれていきます。

主演のウィリアム・ハートは、アカデミー賞とカンヌ国際映画祭の両方で主演男優賞を受賞しました。この映画もまた、世界中で多くの人に愛され続けている名作という位置付けになっています。

狭い部屋の中での2人の会話を通して、人間の心の変化を丁寧に描いているところ、これはこの映画の魅力の一つ。モリーナが語る映画の中の美しい世界と、厳しい現実との対比も印象的です。

違う考えや生き方の人とも、時間をかけて話し合えば理解し合えるということを感じさせてくれます。

偏見を持たずに相手を受け入れることを、心に響く方法で伝えてくれているのです。

クワイエット・アース

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0757)

監督:ジェフ・マーフィー

91分/ニュージーランド
原題または英題:The Quiet Earth
日本公開情報なし

ニュージーランドのSF映画で、日本では劇場公開されませんでしたが世界中で高く評価されている隠れた名作です。

科学者のザックがある朝目を覚ますと、世界中から人間が消えてしまっていることに気づくところから始まります。街は静まり返り、自分一人だけが残されてしまったのです。最初は好き勝手に生活していたザックですが、だんだん孤独に耐えられなくなっていきます。やがて他にも2人の生存者が見つかり、3人で協力して生きていこうとしますが、様々な問題が起こります。

アメリカの新聞では「1980年代最高のSF映画」と称賛されました。派手な特殊効果はありませんが、人がいなくなった静かな世界の美しさと恐ろしさを丁寧に描いています。

主人公が一人ぼっちになった時の心の変化が面白いんですよ。最初は自由で楽しそうでも、だんだん寂しくなって、ついには頭がおかしくなりそうになる様子がリアルに描かれています。

人間にとって他の人との繋がりがどれほど大切かということを学べます。一人では生きていけない人間の弱さと、仲間の大切さを教えてくれる作品です。なんか身に沁みます…..

カイロの紫のバラ

画像引用元:映画.com

(NO.0758)

監督:ウディ・アレン

83分/アメリカ
原題または英題:The Purple Rose of Cairo
配給:ワーナー・ブラザース映画

1930年代の大恐慌時代が舞台で、毎日がつらくて映画を見ることだけが楽しみの女性セシリアのお話です。

セシリアは『カイロの紫のバラ』という映画が大好きで、何度も映画館に通って見ています。ところがある日、その映画の主人公トムがスクリーンから話しかけてきて、なんと映画の中から飛び出してきてしまいます。セシリアはトムと恋に落ちますが、その後、トムを演じている本物の俳優ギルも現れて、複雑な三角関係になってしまいます。

映画ファンの夢を叶えた作品とも評されました。

見どころは、誰もが一度は夢見る「映画のキャラクターと実際に会えたら」という願いが現実になるところです。でも最後は現実の厳しさも描かれていて、切ないけれど心に残る物語になっています。

つらい現実があっても、映画や物語が私たちに希望と夢を与えてくれるということでしょうか。

現実は大変でも、想像力や夢を大切にすることで、人生を乗り越えていけます。

気分が落ち込んだ時、ウディ・アレンワールドで温かいメッセージを感じ取ってください。

冬の旅

画像引用元:映画.com

(NO.0759)

監督:アニエス・ヴァルダ

105分/フランス
原題または英題:Sans toit ni loi
配給:ザジフィルムズ

ヴェネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞した名作ですが、日本では長い間あまり知られていませんでした。

冬のフランスの田舎で18歳の女性モナの凍死体が見つかるところから始まります。映画は、彼女が死ぬまでの数週間に何があったのかを、旅の途中で出会った人々の話を通して描いていきます。

モナは家も仕事も持たず、リュックサックと寝袋だけで自由気ままな旅を続けていました。道中で様々な人に出会い、時には親切にしてもらったり、定住するよう勧められたりしますが、彼女は誰にも心を開かず、一人での旅を続けます。

この映画は世界中の映画評論家から高く評価され、「自由を求める女性」を描いた映画の傑作とされています。

自由には責任と孤独が伴うということを身をもって知らされます。

モナは誰にも縛られない自由を手に入れましたが、同時に深い孤独も背負うことになりました。本当の自由とは何か、幸せとは何かを考えさせてくれる、深い余韻を残すことでしょう。

SHORE ショア

画像引用元:映画.com

(NO.0760)

監督:クロード・ランズマン

567分/フランス
原題または英題:Shoah
配給:マーメイドフィルム

上映時間は567分(約9時間30分)という非常に長い映画です。びっくりですね。上映時間を見ただけでおじけづくかもしれませんね。

第二次世界大戦中にナチス・ドイツが行ったホロコースト(ユダヤ人の大量虐殺)について記録した作品です。ホロコーストとは、ナチスが約600万人のユダヤ人を組織的に殺害した、人類史上最も悲惨な出来事の一つです。

過去の映像を一切使わず、当時の生存者や関係者への現在のインタビューだけで構成されているのが特徴です。収容所から生き延びた人々、当時を目撃した人々、さらには加害者側の証言も含まれています。

人類史上最も重要なドキュメンタリーの一つとも言われます。実際に多くの映画賞を受賞しました。

過去の出来事を忘れてはいけません。戦争や差別がもたらす悲劇を二度と繰り返さないために、歴史を正しく知り、語り継いでいくことを教えてくれます。

重い内容ですが、平和な世界を築くために私たちが知るべき歴史が記録されています。

カラーパープル

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0761)

監督:スティーヴン・スピルバーグ

154分/アメリカ
原題または英題:The Color Purple
配給:ワーナー・ブラザース映画

ピュリッツァー賞を受賞したアリス・ウォーカーの小説を映画化したもので、1900年代初めのアメリカ南部が舞台です。

主人公は黒人女性のセリーで、幼い頃から父親に虐待され、その後も夫から奴隷のような扱いを受けて苦しい毎日を送っています。唯一の心の支えだった妹とも離ればなれになってしまいます。しかし、強い女性たちとの出会いを通じて、セリーは少しずつ自分の価値に気づき、自分らしく生きる力を取り戻していきます。

市長妻の偽善者っぷりの描写が鮮やかに描かれており、この辺がスピルバーグたる所以なのでしょうか。

どんなにつらい状況でも希望を失わず、仲間との絆に支えられて強く生きていくセリーの姿ですを感じ取っていただきたいと思います。差別や暴力という重いテーマであるものの、人間の尊厳と愛の力を描いています。

人は誰でも尊重される価値があるということと、困難な状況でも仲間との支え合いによって乗り越えていけるということを感じます。自分を大切にし、夢を諦めないという心の強さを感じ取ってあなたの人生にも活かしてもらいたいのです。

オフィシャル・ストーリー

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0762)

監督:ルイス・プエンソ

110分/アルゼンチン
原題または英題:La Historia Oficial
配給:松竹富士クラシックス=松竹富士

物語の舞台は1980年代のアルゼンチンで、軍事政権が国を支配していた時代です。主人公は歴史教師のアリシアで、裕福な夫と養女のガビイと幸せに暮らしていました。しかし、ある日友人から軍事政権の恐ろしい真実を聞かされ、自分の娘が実は政府によって奪われた「失踪者」の子供かもしれないと疑うようになります。

アリシアは真実を知るために調査を始めますが、それは夫や自分の生活を脅かす危険な行為でした。やがて彼女は、愛する夫が軍事政権に協力していることを知り、家族と真実の間で苦しい選択を迫られます。

第58回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞し、アルゼンチン映画として初めてこの賞を獲得しました。

政治的圧力の中でも真実を求める勇気の大切さを描いた作品として知られています。

たとえ辛い現実であっても真実と向き合うのは大切です。どうしても辛いことは目を背けてしまいます。しかしそれでは、次の答えは出てこないのです。

国や権力者が隠そうとする歴史の真実を知り、それを次の世代に伝えていくことを鮮やかに伝えています。

1986年

1986年を象徴するイメージ画像を、わかりやすくアニメ風にしています。

眺めのいい部屋

画像引用元:映画.com

(NO.0763)

監督:ジェームズ・アイヴォリー

117分/イギリス
原題または英題:A Room with a View
配給:アンプラグド

E・M・フォースターの有名な小説を映画化したものです。物語の舞台は1900年代初めで、イギリスの上流階級の娘ルーシーがイタリアのフィレンツェを旅行中に、自由奔放な青年ジョージと出会います。しかし身分の違いを気にしたルーシーは、イギリスに帰ってから別の男性と婚約してしまいます。

社会のルールに縛られて生きるか、自分の心に従って生きるかで悩むルーシーの姿が美しく描かれています。イタリアの美しい風景と、当時のイギリスの豪華な衣装や建物も見どころです。

主演のヘレナ・ボナム・カーターをはじめ、ダニエル・デイ=ルイス、マギー・スミスなど有名な俳優たちが出演しています。

周りの期待や常識に流されず、自分の気持ちを大切にすることが大切です。

本当の幸せとは何か、自分らしく生きるとはどういうことかを考えさせてくれる作品でもあります。

刑事グラハム/凍りついた欲望

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0764)

監督:マイケル・マン

120分/アメリカ
原題または英題:Manhunter
配給:松竹富士

後に『羊たちの沈黙』で有名になったハンニバル・レクター博士が初めて映画に登場した記念すべき作品です。

物語の主人公は、元FBI捜査官のウィル・グレアムです。彼は過去にレクター博士を逮捕しましたが、そのときの恐ろしい体験で心に深い傷を負い、仕事を辞めていました。しかし、新しい連続殺人事件が起こり、FBI から捜査への協力を求められます。

グレアムの特技は、犯人の心理を読んで行動を予測することです。事件を解決するために、彼は刑務所にいるレクター博士を訪ね、アドバイスを求めます。しかし、それは非常に危険なことでもありました。

この映画は公開当時はあまり話題にならず、後に『羊たちの沈黙』が大ヒットしてから注目されるようになりました。現在では、スタイリッシュな映像と緊張感のあるストーリーで高く評価されています。

悪と戦うためには時として自分自身も危険にさらされることがあります。正義を守ろうとする人でも、悪の影響から完全に逃れることは難しいのですね。そういうことも加味して鑑賞すると、より人生の糧になるでしょう。

ブルーベルベット

画像引用元:映画.com

(NO.0765)

監督:デヴィッド・リンチ

121分/PG12/アメリカ
原題または英題:Blue Velvet
配給:鈴正、weber CINEMA CLUB

大学生のジェフリーは故郷に帰った時、畑で人間の耳を発見します。この謎を調べていくうちに、町の美しい表面の下に隠された恐ろしい裏の世界を知ることになります。そこには歌手のドロシーと、とても危険な男フランクがいました。

過激な内容で賛否両論もあったようですが、今では映画史に残る名作とも言われます。デニス・ホッパー演じるフランクの怖い演技は特に有名で、多くの人に影響を与えました。

リンチ監督は、昼間の美しい住宅街と夜の危険な世界を対比させて見せることが得意なんですね。まるで絵を描くように映像を作り、観る人を別の世界に引き込みます。怖いけれど、なぜか目が離せないという不思議な体験ができますね。

世の中には見た目だけでは分からないことがたくさんあるということを教えてくれます。

きれいな町にも暗い部分があるように、人や物事には必ず表と裏があります。大人になるということは、そうした複雑な現実を理解していくことなのかもしれません。

好奇心は大切ですが、危険なことに近づく時は慎重になる必要があるんです。

ハンナとその姉妹

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0766)

監督:ウディ・アレン

107分/アメリカ
原題または英題:Hannah and Her Sisters
配給:ワーナー・ブラザース映画

ニューヨークに住む三姉妹の物語で、毎年の感謝祭の食事を中心に、2年間の家族の出来事を描いています。長女のハンナはしっかり者で成功した女優、次女のリーは自由奔放、三女のホリーは自分に自信がなく、いつも迷っています。

ハンナの夫がリーに恋をしてしまったり、ハンナの元夫ミッキーが人生の意味を探し続けたりと、複雑な人間関係が描かれます。みんな完璧ではなく、悩みや問題を抱えているけれど、最後には家族の絆や愛の大切さを再発見していきます。

アカデミー賞では3つの賞を受賞し、ウディ・アレン監督の代表作の一つとして有名です。真面目なテーマを面白く描く監督の技術を感じ取ってほしいと思います。

家族という身近な関係を、笑いと優しさで描かれているのがこの映画の大きな魅力です。登場人物たちの会話がとても自然で、本当の家族を見ているような気持ちになります。ニューヨークの美しい街並みも印象的ですね。

人は誰でも完璧ではないけれど、家族や大切な人たちと支え合って生きていくということはやはり大切なんですね。

時には間違いを犯したり、迷ったりするけれど、最終的には愛情と理解が人を幸せにしてくれるのです。

シーズ・ガッタ・ハブ・イット

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0767)

監督:スパイク・リー

86分/アメリカ
原題または英題:She’s Gotta Have It

配給:Island Pictures

ニューヨークのブルックリンに住むノラ・ダーリングという女性が主人公です。彼女は3人の男性と同時にお付き合いをしていて、みんなから「一人だけを選んで」と言われますが、自分らしい生き方を貫こうとします。

約2000万円という少ない予算で作られた映画ですが、世界中で高く評価されました。当時としては珍しく、アフリカ系アメリカ人の日常生活をリアルに描いた作品として注目されました。

主人公ノラが自分の気持ちに正直に生きようとする姿が魅力的に映ります。周りの人たちは彼女に普通の恋愛をするよう求めますが、彼女は「自分の人生は自分で決める」という強い意志を持っています。

ブルックリンの街の雰囲気や、登場人物たちの面白い会話も見どころです。

他人の期待ではなく、自分が本当にやりたいことを大切にすることを教えてくれますね。

周りの人と違っていても、自分らしく生きることの大切さを教えてくれる作品です。スパイク・リー監督はこの後も多くの名作を作りましたが、その原点がここにあります。

愛は静けさの中に

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0768)

監督:ランダ・ヘインズ

119分/アメリカ
原題または英題:Children of a Lesser god
配給:パラマウント=UIP

耳の聞こえない人たちの学校を舞台に、新しく来た先生ジェームズと、生まれつき耳が聞こえない女性サラの恋愛を描いています。ジェームズは生徒たちに話すことを教える先生で、サラは学校で掃除の仕事をしています。

サラは過去に傷ついた経験があり、手話でしか話そうとしません。ジェームズは彼女に声を出して話すことを教えようとしますが、サラは「自分はこのままでいい」と主張します。二人は次第に恋に落ちますが、お互いの考え方の違いが原因で衝突することもあります。

主演のマーリー・マトリンは、21歳という若さでアカデミー主演女優賞を受賞しました。彼女は実際に耳が聞こえない女優さんで、ろう者として初めてオスカーを受賞した歴史的な快挙でした。

この映画の魅力は、言葉がなくても心が通じ合う美しさを描いているところです。手話による演技の力強さや、お互いを理解しようとする二人の気持ちが心に響きます。

本当に大切なのは、相手を変えようとすることではなく、そのままの相手を受け入れることです。

違いがあっても、お互いを尊重し合えば素晴らしい関係を築けることを教えてくれる作品です。

カラヴァッジオ

画像引用元:映画.com

(NO.0769)

監督:デレク・ジャーマン

93分/G/イギリス
原題または英題:Caravaggio
配給:東北新社

400年前のイタリアで活躍した有名な画家カラヴァッジオの人生を描いています。カラヴァッジオは光と影を使った美しい絵で有名でしたが、とても激しい性格で、よくケンカをしたり問題を起こしたりしていました。

まるで絵画の中にいるような美しい映像を感じてください。監督は歴史を正確に描くよりも、芸術的で幻想的な表現を大切にしました。そのため、昔の時代設定なのに現代の電卓やオートバイが登場するなど、わざと変な組み合わせを見せています。これは観る人を驚かせ、考えさせるための工夫です。

映画の魅力は、カラヴァッジオの絵画がそのまま動き出したような美しいシーンの数々です。また、芸術家の創作への情熱と、複雑な人間関係が描かれています。

才能のある人でも完璧ではなく、みんな悩みや問題を抱えながら生きていることを感じとってみましょう。

芸術は人間の感情や体験から生まれるものであり、美しいものを作るためには、時には辛い経験も必要だということなのです。

サルバドル/遥かなる日々

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0770)

監督:オリバー・ストーン

122分/アメリカ
原題または英題:Sarvador
配給:ワーナー・ブラザース映画

1980年代に実際に起こった中米エルサルバドルの内戦を題材にしています。主人公は落ちぶれたアメリカ人ジャーナリストのリチャード・ボイルで、お金に困って友人と一緒にエルサルバドルに向かいます。

最初は軽い気持ちで行ったボイルでしたが、現地で政府軍による市民の虐殺や、宗教関係者の殺害などの恐ろしい現実を目の当たりにします。写真を撮ることが仕事の彼は、真実を伝えるべきか、自分の安全を守るべきかで悩むようになります。

この映画は世界中で高く評価されましたが、当初は商業的に成功せず、アメリカ政府を批判した内容を含んでいたのでで議論を呼びました。

戦争の恐ろしさを生々しく描きながら、普通の人が困難な状況でどう行動するかを考えさせるように設計されています。

真実を伝えることの大切さと難しさを感じます。

危険な状況でも正しいことをする勇気を持つことの重要性と、戦争がどれほど多くの人を傷つけるかを教えてくれる作品です。

プラトーン

画像引用元:映画.com

(NO.0771)

監督:オリバー・ストーン

120分/R15+/アメリカ
原題または英題:Platoon
配給:ワーナー・ブラザース映画

ベトナム戦争を舞台にした戦争映画で、監督自身が実際にベトナム戦争に参加した体験をもとに作られました。主人公は大学をやめて志願兵としてベトナムに行った青年クリス・テイラーです。

テイラーは理想を持って戦争に参加しましたが、現実の戦場はとても厳しく、仲間同士でも意見が対立することがありました。特に、優しいエリアス軍曹と厳しいバーンズ軍曹という二人の上官の間で、どちらが正しいのか悩むことになります。

この映画はアカデミー賞で作品賞や監督賞など4つの賞を受賞し、2019年にはアメリカの重要な文化財として国立フィルム登録簿にも選ばれました。最もリアルな戦争映画の一つともされています。

戦争の恐ろしさだけでなく、兵士たちの複雑な心の動きを丁寧に描いているところがこの映画の魅力です。

戦争では善と悪がはっきり分けられないことを実感させられます。どんなに正しいと思うことでも、極限状況では判断が難しくなります。困難な状況でも自分の良心に従って行動することなど、決して現代では関係ないというお話ではありません。

ダウン・バイ・ロー

画像引用元:映画.com

(NO.0772)

監督:ジム・ジャームッシュ

107分/G/アメリカ・西ドイツ
原題または英題:Down by Law
配給:フランス映画社

アメリカのニューオリンズという街を舞台に、3人の男性が偶然同じ刑務所に入ることから始まる物語です。

3人の主人公は、ラジオのDJをしているザック、あまり成功していないジャック、そして英語があまり上手ではないイタリア人観光客のボブです。最初はお互いをあまり好きになれませんが、一緒に刑務所から脱出することになり、だんだん友情が生まれていきます。

監督の独特な演出や美しい白黒の映像は衝撃を与えました。

ゆっくりとした雰囲気の映画です。派手なアクションはありませんが、3人の会話や行動がとても面白く、特にボブというキャラクターの天真爛漫な性格が物語を明るくしています。

ニューオリンズの街並みや沼地の美しい映像も見どころです。

最初は合わない人とも、時間をかけて一緒にいると友達になれるということを教えてくれます。

違う国や環境で育った人でも、お互いを理解しようとすれば、きっと心が通じ合えることを感じとってください。

アメリカ帝国の滅亡

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0773)

監督:ドゥニ・アルカン

100分/カナダ
原題または英題:Le Le De clin de L’Empire Americain
配給:ベストロン映画

モントリオール大学の歴史学の先生とその友人たち、合計8人が週末に集まって食事をする物語です。

男性4人は料理を作りながら、女性4人はジムで運動をしながら、それぞれお互いの恋愛関係や人生について話し合います。みんな大学の先生やその関係者で、とても知的な人たちですが、恋愛のことになると複雑な関係になってしまいます。

1986年のカンヌ映画祭では国際批評家賞を受賞し、アカデミー賞の外国語映画賞にもノミネート。カナダ映画として初めて世界的に成功した作品として知られています。

8人の大人たちの会話がとても面白いですよね。恋愛、友情、社会のことなど、いろいろなテーマについて話すのですが、時には笑えて、時には考えさせられます。アクションシーンなどはありませんが、人と人との関係の複雑さがよく描かれています。

大人になってもみんな悩みを抱えて生きているんです。普段はみんな出しませんけどね。

どんなに成功した人でも、恋愛や友情で悩むことがあり、完璧な人はいないことを教えてくれる作品です。

北京オペラブルース

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0774)

監督:徐克(ツイ・ハーク)

105分/香港
原題または英題:刀馬旦 Peking Opera Blues

配信:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

1913年の中国を舞台に、3人の女性が主人公の冒険活劇です。当時の中国は政治的に混乱していて、いろいろな勢力が争っていました。

3人の主人公は、それぞれ違う目的を持っています。1人目は軍人の娘で革命家、2人目は京劇の劇団の娘で舞台に立ちたがっている女性、3人目は宝石泥棒です。最初はバラバラだった3人が、偶然出会って一緒に行動するうちに、深い友情で結ばれていきます。

映画監督のクエンティン・タランティーノも「史上最高の映画の一つ」と絶賛しました。香港映画の黄金時代を代表する作品として、多くの映画ファンに愛され続けています。

アクション、コメディ、ドラマが見事に組み合わされています。派手な戦闘シーンや笑えるシーン、感動的なシーンがバランスよく配置されています。

京劇という中国の伝統的な舞台芸術と現代的な映画技術が融合した、とてもユニークな映像美も見どころです。

違う立場の人同士でも、お互いを理解し合えば素晴らしい友情が生まれるというメッセージを感じてください。

困難な時代でも、仲間と協力すれば乗り越えられることを教えてくれる、元気が出る作品です。

エイリアン2

画像引用元:映画.com

(NO.0775)

監督:ジェームズ・キャメロン

136分/アメリカ
原題または英題:Aliens
配給:20世紀フォックス映画

前の年に公開された『エイリアン』の続編で、恐ろしい宇宙怪物エイリアンと人間の戦いを描いています。

主人公は前作で唯一生き残ったリプリーという女性です。彼女は宇宙船で57年間眠り続けた後に目覚めると、人類がエイリアンのいる惑星に住み始めていることを知ります。しかし、その住民たちと連絡が取れなくなってしまい、リプリーは宇宙軍の兵士たちと一緒に調査に向かうことになります。

「最高の続編映画の一つ」という異名を持っています。続編って、大抵は前編より質が落ちるというのは今でも定説だし、実際そう感じることは多いですが、この作品は違っていました。

前作のホラー要素に加えて、迫力満点のアクションシーンがあることですのは大きな特徴の一つ。リプリーがニュートという少女を守ろうとする母親のような愛情が描かれており、単なる怪物映画以上の感動があります。特殊効果も当時としては最先端で、今見ても迫力があります。

大切な人を守るためなら、どんな恐ろしいことにも立ち向かえるのです。

リプリーは怖がりながらも、勇気を出して戦い続けます。困難な状況でも諦めずに頑張ることの大切さを感じとってみましょう。

フェリスはある朝突然に

画像引用元:映画.com

(NO.0776)

監督:ジョン・ヒューズ

103分/アメリカ
原題または英題:Ferris Bueller’s Day Off
配給:UIP

高校生のフェリス・ビューラーが、学校をさぼって恋人のスローンと親友のキャメロンと一緒に、シカゴの街で一日中遊び回る物語です。

フェリスは病気のふりをして学校を休み、3人でフェラーリを借りて街に出かけます。美術館を見学したり、パレードに飛び入り参加したり、野球場に行ったりと、自由に過ごします。一方、校長先生はフェリスがサボっていることを知って、彼を捕まえようと必死に追いかけます。

1980年代の青春映画の代表作として、今でも多くの人に親しまれています。主演のマシュー・ブロデリックが観客に直接話しかけるシーンが印象的で、まるで友達と一緒に冒険しているような気分になれます。

その後の日本のドラマなどでも影響を与えました。

自由で楽しい一日を過ごすフェリスたちの姿が、見ている人をワクワクさせるのは魅力の一つ。特にパレードで歌って踊るシーンは、映画史に残る名場面として有名です。内気なキャメロンが少しずつ勇気を出していく成長の物語でもあります。

たまには勉強や決まりから離れて、人生を楽しむことも大切。今では忘れかけているものを呼び起こすかもしれません。

毎日同じことの繰り返しでも、ちょっとした冒険心があれば特別な一日になることを教えてくれます。

ザ・フライ

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0777)

監督:デヴィッド・クローネンバーグ

96分/アメリカ
原題または英題:The Fly
配給:20世紀フォックス映画

科学者のセス・ブランドルが発明した瞬間移動装置の実験で、間違って一匹のハエと合体してしまう恐ろしい物語です。

主人公のセスは最初、実験が成功したと喜んでいましたが、だんだん体がハエのように変化していきます。恋人のヴェロニカは、愛する人が怪物のようになっていく姿を見て苦しみます。これは単なる怖い映画ではなく、愛と別れの悲しい物語でもあります。

アカデミー賞ではメイクアップ賞を受賞。特殊メイクによる変身シーンは、今見ても迫力満点ですよ。

科学技術の危険性と、人間の愛情の深さを同時に描いているところが特徴でもあります。恐ろしいシーンもありますが、最後まで諦めない愛の力も描かれています。

科学の力を使うときは慎重になることや、大切な人への愛情の尊さを感じとれます。

便利な技術にも危険が伴うことや、困難な状況でも人を愛し続けることの大切さを教えてくれます。

トップガン

画像引用元:映画.com

(NO.0778)

監督:トニー・スコット

110分/アメリカ
原題または英題:Top Gun
配給:UIP

アメリカ海軍のエリートパイロット養成学校「トップガン」に通う若いパイロット、マーベリックの成長を描いた青春アクション映画です。

マーベリックは戦闘機を操縦する才能はありますが、型破りな性格で、仲間や上官とぶつかることもあります。トップガンでは、他の優秀なパイロットたちと競争しながら訓練を受け、恋愛も経験します。しかし、親友を事故で失ってしまい、自信を失ってしまいます。

この映画は1986年に公開されて世界的な大ヒットとなり、その年のアメリカで最も興行収入の高い映画になりました。映画評価サイトでは低評価でしたが、観客には大人気でした。特に戦闘機での空中戦のシーンや、「デンジャー・ゾーン」などの音楽は日本でも有名ですよね。

迫力満点の戦闘機アクションと、青春ドラマがうまく組み合わされていて、ベタですがスッキリさせる構成がいいですね。空を飛ぶ爽快感と、友情や恋愛、そして困難に立ち向かう勇気が描かれています。

トム・クルーズはこの映画で、世界的な映画俳優の階段を駆け上がっていきました。

才能だけでなく、仲間を信頼し責任感を持つことが大切です。

失敗や悲しい出来事があっても、それを乗り越えて成長することの大切さを教えてくれる作品でもあるのです。

SHERMAN’S MARCH

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0779)

監督:ロス・マケルウィー

155分/アメリカ
原題または英題:(フルタイトル)Sherman’s March: A Meditation on the Possibility of Romantic Love in the South During an Era of Nuclear Weapons Proliferation

通称:Sherman’s March
日本公開情報なし

歴史ドキュメンタリーが個人的な恋愛記録に変わってしまった不思議な映画です。

監督は南北戦争のシャーマン将軍について映画を作る予定でしたが、撮影直前に恋人に振られ、傷心のまま南部を旅しながら新しい恋を探すことになりました。カメラを回しながら家族や出会った女性たちと会話する姿が、面白くて切ない映像として記録されています。

1987年サンダンス映画祭グランプリ受賞、2000年国立フィルム登録簿選定の名作です。批評家たちは「個人的でありながら普遍的」と評価。なんでも、「日記映画の市民ケーン」という異名(?)もついているほど!

この映画からは、予定通りにいかない人生でも新しい発見や出会いがあることを学べます。失恋の痛みから始まった旅で、監督は多くの温かい人間関係を築きました。挫折も人生の大切な一部だと教えてくれます。

ただ日本では縁がなく、『死ぬまでに観たい映画1001本』になかったら、日本人は誰も知らなかったのでは?という内容。海外でも似たようなものでしょう。

スタンド・バイ・ミー

画像引用元:映画.com

(NO.0780)

監督:ロブ・ライナー

89分/G/アメリカ
原題または英題:Stand by Me

配給:コロンビア映画

スティーヴン・キングの小説「The Body」を原作にした青春映画の名作です。1959年のアメリカを舞台に、12歳の少年4人が行方不明になった同級生の遺体を探しに冒険の旅に出る物語です。線路を歩きながら、冗談を言い合い、時に喧嘩をしながら進む2日間の道中で、少年たちは「子供から大人への境界」を越える象徴的な体験をします。

単なるノスタルジー映画に留まらず、友情と喪失をリアルに描いた傑作として、日本でもよく知られた映画となりました。なお、少年たちの率直な会話により、R指定だったりします。

川を渡るシーンや線路上での緊迫した場面など、冒険のスリルを感じられる点は魅力。しかし真の魅力は、少年たちの対話や関係性の変化を通して成長の瞬間を丁寧に描いている点にあります。

ベン・E・キングの主題歌「Stand by Me」も映画と共に再評価され、有名になりました。

青春の一瞬の輝きがいかに人生を形作るか?考えさせられます。

大人になると少年時代の友情は薄れるかもしれませんが、その記憶と経験は決して色あせることがない宝物だと教えてくれます。

というか、大人になって見たほうがより哀愁を感じるかもしれません。年をとってくると、こういう少年の青春映画はノスタルジアを感じていくのです。

タンポポ

画像引用元:映画.com

(NO.0781)

監督:伊丹十三

115分/日本
原題または英題:Tampopo
配給:東宝

伊丹十三監督の「ラーメン・ウエスタン」と呼ばれる面白い映画です。夫を亡くした女性・タンポポが経営する売れないラーメン屋を、カウボーイハットをかぶったトラック運転手のゴローが手伝って、町で一番美味しいラーメン店に変身させる物語です。

海外でも大人気で、アメリカでは日本映画として2番目のヒットを記録しました。この映画をきっかけに、アメリカでラーメン店を始める人が増えたほどです。

メインの話の間に、様々な「食べ物」にまつわる短いエピソードが挟まれることが特徴です。スパゲッティの正しい食べ方を教える場面や、高級フランス料理を楽しむビジネスマンたちの話など、見ていて思わず笑ってしまうシーンがたくさんあります。

タンポポがラーメン作りの特訓をする場面や、完璧なラーメンを求めて様々な人に教えを請うシーンは面白いですね。特に若い頃の渡辺謙が、おじいさんからラーメンの食べ方を教わる場面は有名です。

食べることは生きることそのものです。毎日当たり前に食べているご飯も、誰かが心を込めて作ってくれているからこそ美味しく感じられるのです。

家族や友達と一緒に食べる時間や、作り手の気持ちを考えることなど、多くの教訓をのせているのです。

盗馬賊

画像引用元:映画ナタリー

(NO.0782)

監督:田壮壮(ティエン・チュアンチュアン)

88分/中国
原題または英題:Horse Thief 盗馬賊
配給:東光徳間

チベットの雄大な自然を舞台にした作品です。家族を養うために馬を盗んで生活している男性・ノルブが主人公です。彼は仕方なく泥棒をしているのですが、やがて村から追い出されてしまい、妻と子供と一緒に厳しい自然の中で生きていかなければならなくなります。

この映画は会話がとても少なく、美しい風景や人々の生活の様子を映像で見せることに重点を置いています。チベットの人々の宗教的な儀式や、厳しい自然環境での暮らしぶりが、まるでドキュメンタリーのように描かれています。

マーティン・スコセッシが1990年代のベスト映画の第1位に選びました。静かでゆっくりとした展開が特徴の映画でもあります。

どんなに厳しい環境にあっても、人は家族を大切に思い、生きる意味を見つけようとするということを感じとってください。

自然の偉大さや、異なる文化の中で生きる人々の知恵も感じ取れます。派手なアクションはありませんが、静かな映像の中に「生きるとは何か」というメッセージが込められているのです。

1987年

1987年を象徴するイメージ画像を、わかりやすくアニメ風にしました。

さよなら子供たち

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0783)

監督:ルイ・マル

103分/フランス・西ドイツ
原題または英題:Au Revoir Les Enfants
配給:シネセゾン

ルイ・マルが自分の子ども時代の体験をもとに作った映画です。第二次世界大戦中、ナチス・ドイツに占領されたフランスのカトリック寄宿学校が舞台になっています。

主人公は12歳の少年ジュリアン。クリスマス休暇を終えて学校に戻ると、転校生のジャン・ボネという少年がやってきます。最初はジャンのことが気に入らなかったジュリアンでしたが、だんだんと友情を育んでいきます。しかし、ある日ジャンがユダヤ人であることを知り、学校がナチスから彼を匿っていることがわかります。やがて密告によってジャンは捕まってしまい、二人は永遠の別れを迎えることになります。

ヴェネツィア国際映画祭では最高賞の金獅子賞を受賞し、フランスのセザール賞でも7部門で受賞しました。

戦争という大人の争いがいかに罪のない子どもたちの生活を壊してしまうのか、考えさせられますね。

人種や宗教が違っても、友情や思いやりの気持ちは変わらないのです。静かで美しい映像の中に、平和の大切さと人間の優しさが込められた作品で、胸が痛みますがその分、大きな学びがある映画でもあるのです。

赤ちゃん泥棒

画像引用元:映画.com

(NO.0784)

監督:ジョエル・コーエン

94分/アメリカ
原題または英題:Raising Arizona
配給:20世紀フォックス映画

主人公は元泥棒のハイと元警察官のエドという夫婦。二人は結婚して普通の家庭を築きたいと思っていましたが、赤ちゃんができませんでした。そこで、テレビで五つ子が生まれた大富豪の家族を見て、「5人もいるなら1人くらい分けてもらっても大丈夫でしょう」と考え、赤ちゃんを誘拐してしまいます。

この突飛な設定から始まる物語は、ハチャメチャなアクションとコメディが満載です。ハイの元仲間の脱獄囚や、赤ちゃんを狙う賞金稼ぎが現れて、次々とトラブルが起こります。とても独創的で面白いコメディとして評価されています。

この映画の魅力は、おかしな設定の中にも温かい家族愛が描かれていることです。法律を破ってでも子どもが欲しいという気持ちや、家族になりたいという願いが、笑いの中にも真剣に描かれています。

家族の形は人それぞれ違っていても、愛し合う気持ちがあれば本当の家族になれるということでしょうか。

間違いを犯しても、心から反省して正しい道に戻ることも大切。現代日本ではどう映るでしょうか。あなたの感性が問われます。

ひかり

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0785)

監督:スレイマン・シセ

106分/マリ
原題または英題:Yeelen
配給:シネセゾン

西アフリカのマリという国で作られた映画です。監督のスレイマン・シセは、自分たちの国に古くから伝わる神話をもとに、この壮大な物語を作りました。

主人公は魔法の力を持つ青年ニアニャンコロ。彼の父親は同じように強い魔法使いですが、息子の力が自分を超えることを恐れて、息子を殺そうと追いかけます。母親に助けられたニアニャンコロは、叔父を探す旅に出て、様々な村を通りながら成長していきます。やがて父親との最終決戦が待っています。

アフリカの新しい映画の可能性を示した作品で、『死ぬまでに観たい映画1001本』唯一のマリの映画です。独特のファンタジーですね。

アフリカの美しい自然と、そこに住む人々の生活や文化が丁寧に描かれているのは見どころの一つ。魔法が普通に存在する世界観や、父と息子の対立という普遍的なテーマが組み合わさって、独特な魅力を持っています。

どんな強い力を持っていても、それをどう使うかが大切だということを教えてくれます。また、異なる文化にも共通する人間の悩みや成長の物語があることを教えてくれます。

プロジェクトA2/史上最大の標的

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0786)

監督:ジャッキー・チェン

105分/香港
原題または英題:Project A Part 2
配給:東宝東和

前作『プロジェクトA』の続編で、20世紀初頭の香港が舞台になっています。

主人公は水上警察のドラゴン。前作で海賊退治に成功した彼は、今度は陸上の警察署長として、悪い警察官や犯罪組織と戦うことになります。警察と悪人が手を組んで悪いことをしているのを見つけて、正義のために立ち向かう物語です。

この映画の一番の魅力は、ジャッキー・チェンの命がけのアクションシーンです。建物から落ちたり、壁を駆け上がったり、手錠をつけられたまま戦ったりする場面は、CGを使わずに本当に体を張って撮影されました。また、コメディ要素もたくさんあって、笑いながら楽しめる作品になっています。

前作に出演していたサモ・ハンとユン・ピョウは別の映画の撮影で出演していませんが、ジャッキーの魅力は十分に発揮されています。

正義を貫く勇気!いいじゃないですか。困難な状況でも諦めずに立ち向かい、仲間と協力して問題を解決する姿勢は、私たちの生活にも役立つ教訓です。

ベルリン・天使の詩

画像引用元:映画.com

(NO.0787)

監督:ヴィム・ヴェンダース

128分/G/西ドイツ・フランス
原題または英題:Der Himmel uber Berlin
配給:東北新社

まだベルリンの壁があった頃のドイツが舞台で、人間を見守っている天使の物語です。

主人公は天使のダミエル。天使は人間の心の声を聞くことができますが、自分の姿は子どもにしか見えません。ダミエルはある日、サーカスで空中ブランコをする女性マリオンに恋をしてしまいます。天使は永遠に生きることができますが、人間のように触れたり、味わったりすることができません。ダミエルは愛する人と一緒にいるために、天使をやめて人間になることを決めます。

この映画の特徴は、天使の視点ではモノクロ(白黒)、人間の視点ではカラー(色付き)で撮影されていることです。この美しい映像表現により、カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞しました。

この映画から学べるのは、人間であることの素晴らしさです。悲しみや苦しみもあるけれど、愛することや感動することができる人間の生活は、とても価値があるということを教えてくれます。大人になっても心に残る、詩のような美しい作品です。

ウィズネイルと僕

画像引用元:映画.com

(NO.0788)

監督:ブルース・ロビンソン

107分/イギリス
原題または英題:Withnail and I
配給:日本出版販売

監督のブルース・ロビンソンが自分の実体験をもとに作った、とてもリアルな物語です。

1969年のロンドン。俳優になりたいけれど全然仕事がない二人の若者、ウィズネイルと「僕」が主人公です。お金がなくて汚いアパートで暮らし、毎日お酒を飲んでばかり。気分転換に田舎の別荘に行きますが、都会っ子の二人には田舎生活は大変で、いろいろな困った出来事が起こります。

この映画は「イギリス映画の宝石」と呼ばれており、世界中の若者から愛され続けているカルト映画として有名になりました。

友情と夢について考えさせてくれる映画です。

二人の友達は仲が良いのですが、だんだんと違う道を歩むようになります。夢を追いかけることの難しさ、大人になることの寂しさが、笑いと涙の両方で描かれています。セリフがとても面白くて印象的なので、一度見たら忘れられません。

人生では思うようにいかないことがたくさんあるけれど、友達との時間や小さな幸せを大切にすることを教えてくれます。

プリンセス・ブライド・ストーリー

画像引用元:映画.com

(NO.0789)

監督:ロブ・ライナー

1987年製作/アメリカ
原題または英題:The Princess Bride
配給:ベストロン

病気で寝込んでいる男の子に、おじいちゃんが昔話を読み聞かせるという形で物語が始まります。

話の中身は、農場で働く青年ウェストリーと美しいバタカップ姫の恋の物語です。二人は愛し合っていましたが、ウェストリーが海賊に殺されてしまったと思われていました。ところが実は生きていて、今度は自分が海賊の親分になって帰ってきます。バタカップ姫は悪い王子と結婚させられそうになりますが、ウェストリーが彼女を救おうとします。その途中で、剣の達人や優しい大男、頭の良い小男など、個性的な仲間たちと出会い、一緒に冒険を繰り広げます。

最初は映画館ではそれほど人気がありませんでしたが、ビデオが出てから多くの人に愛されるようになり、今では「伝説の名作」とも言われます。

見どころは、迫力ある剣戟シーンと心に残る名セリフの数々です。特に復讐に燃える剣士イニゴ・モントヤの「私の名前はイニゴ・モントヤ」というセリフは世界中で愛されています。

新日本プロレスのかつての人気レスラーのアンドレ・ザ・ジャイアントも登場します。

本当の愛があれば、どんな困難も乗り越えられることを素直に感じてみましょう。

愛する人のために勇気を出すことの大切さを、笑いと感動で教えてくれる作品です。

チャイニーズ・ゴースト・ストーリー

画像引用元:映画.com

(NO.0790)

監督:チン・シウトン

98分/香港
原題または英題:A Chinese Ghost Story
配給:ベストロン映画

税金を集める仕事をしている心優しい青年ニンが主人公のファンタジー映画です。

ある日、ニンは仕事でお金がなくなってしまい、誰も泊めてくれないので、恐ろしいと噂される廃寺に泊まることになります。そこで美しい女性シウシンと出会い、恋に落ちます。しかし彼女は実は幽霊で、悪い木の妖怪に魂を支配されていました。シウシンは男性を誘って、その妖怪に魂を食べさせる役目をさせられていたのです。ニンは彼女を助けようと、剣士の道士と力を合わせて悪い妖怪と戦います。

この映画は香港や日本、韓国などアジア各国で大ヒットし、今でもカルト映画として愛され続けています。アクション、ホラー、恋愛、コメディーがすべて入った、とても珍しいジャンルの映画でもあります。

空中でのチャンバラシーンや、美しく幻想的な映像が見どころです。レスリー・チャンとジョイ・ウォンの美しい恋愛シーンも印象的で、悲しくも美しい物語が心に残ります。

真実の愛は死さえも乗り越える力があるというメッセージが伝わってきます。困難な状況でも愛する人を守ろうとする勇気と、相手を思いやる心の大切さを教えてくれる、香港映画の名作です。

フルメタル・ジャケット

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0791)

監督:スタンリー・キューブリック

116分/アメリカ
原題または英題:Full Metal Jacket
配給:ワーナー・ブラザース映画

この映画はベトナム戦争を背景に、普通の青年たちが兵士に変わっていく過程を描いています。

物語は二つの部分に分かれています。前半は、海兵隊の訓練所での厳しい訓練の様子です。鬼教官ハートマン軍曹が新兵たちを容赦なく鍛え上げます。特に太った新兵パイルへの厳しい扱いが印象的で、訓練の恐ろしさを見せています。後半は、訓練を終えた兵士たちがベトナムの戦場で実際の戦争を体験する話になります。

戦争映画の名作としてよく挙げられる映画です。特に前半の訓練シーンの迫力と、戦争が人間に与える心の傷を描いた内容が強烈です。

軍隊の厳しい訓練と、戦争の現実を容赦なく描いたリアルな映像です。美しく撮影されているのに、見ている人に強い衝撃を与える不思議な魅力があり、巨匠キューブリック監督ならではの演出で見応え抜群です。

戦争は人の心を変えてしまう恐ろしいものであるというメッセージを沸々と感じてきます。

平和な時代に生きる私たちに、戦争の本当の怖さと、人間らしさを保つことの大切さを教えてくれたのです。

ブロードキャスト・ニュース

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0792)

監督:ジェームズ・L・ブルックス

133分/アメリカ
原題または英題:Broadcast News
配給:20世紀フォックス

テレビニュースの現場で働く3人の恋愛と仕事を描いた物語です。

主人公は仕事ができる女性プロデューサーのジェーンです。彼女は頭が良くて仕事熱心ですが、恋愛は苦手です。そんな彼女の周りには、優秀だけれど見た目がパッとしない記者アーロンと、格好いいけれど能力に疑問があるアナウンサーのトムがいます。ジェーンは仕事では真面目さを大切にしているのに、トムの見た目に惹かれてしまいます。一方、アーロンはジェーンに恋をしていますが、なかなか気持ちが伝わりません。

アカデミー賞でも7つの部門でノミネートされ、特にホリー・ハンターの演技が絶賛されました。

見どころは、仕事と恋愛の両方で悩む大人たちの姿です。完璧に見える人でも、実は迷いや弱さを抱えていることが描かれています。

人は仕事でも恋愛でも、理想と現実の間で迷うものということでしょうか。

正しいことと自分の気持ちが違う時、どう選択するかの難しさを教えてくれる、大人向けの恋愛映画です。

バベットの晩餐会

画像引用元:映画.com

(NO.0793)

監督:ガブリエル・アクセル

102分/G/デンマーク
原題または英題:Babette’s Feast
配給:コピアポア・フィルム

物語の舞台は19世紀のデンマークの小さな村です。そこには厳格なプロテスタント教徒の姉妹が住んでいました。二人は若い頃に恋人や音楽の才能を捨てて、亡くなった父親の教会を守り続けています。ある日、フランスから来た女性バベットが、戦争で家族を失って彼女たちの家で働くことになります。

バベットは14年間、無給で姉妹のために働きました。そしてある日、宝くじに当選して大金を手に入れます。彼女はそのお金を全部使って、村の人たちのために豪華なフランス料理の晩餐会を開くことにしました。

アカデミー賞外国語映画賞を受賞した名作で、世界中で高く評価され、「料理を通して人の心を癒す美しい物語」として愛され続けています。

普段は質素な食事しか食べない村人たちは、バベットの作った美しい料理に驚きます。その素晴らしい食事を通して、村人たちの心は温かくなり、長年の争いごとも解決されていきます。

海外映画は食事シーンが大抵あるものですが、この映画は特に食事シーンの美しさに見とれてしまいます。

本当の芸術は人を幸せにする力があるのです!

バベットは自分の全財産を使って他の人を喜ばせることで、真の豊かさとは何かを教えてくれるということにも注目してみてください。

グッドモーニング, ベトナム

画像引用元:映画.com

(NO.0794)

監督:バリー・レヴィンソン

121分/アメリカ
原題または英題:Good Morning, Vietnam
配給:ワーナー・ブラザース映画

ベトナム戦争中の1965年のサイゴンが舞台で、ロビン・ウィリアムズが主演を務めています。

物語は、アメリカ軍のラジオ局で働くことになったDJのエイドリアン・クロンナウアーが主人公です。彼は毎朝「グッドモーニング, ベトナム!」の挨拶で始まる型破りな放送を行い、戦場の兵士たちを笑わせて元気づけます。しかし、軍の上司たちは彼の自由すぎる放送スタイルを問題視し、対立が生まれます。

ロビン・ウィリアムズの即興を活かした爆発的な演技は、彼のキャラクターを確立させました。アカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞では主演男優賞を受賞しました。

ロビン・ウィリアムズの機関銃のような早口のトークと、戦争という重いテーマをユーモアで描いた独特なスタイルは見どころの一つ。笑いの中にも戦争の現実を描き、観客に深く考えさせる場面があります。

困難な状況でも笑いを忘れずにいることは大切なことです。どんなに辛い時でも、ユーモアがあれば人を元気にできることを教えてくれるのです。

月の輝く夜に

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0795)

監督:ノーマン・ジュイソン

101分/アメリカ
原題または英題:Moonstruck
配給:MGM映画=UIP

ニューヨークのブルックリンに住むイタリア系アメリカ人家族を描いた恋愛映画です。

主人公は37歳の未亡人ロレッタです。彼女は恋よりも安定した結婚を選び、優しいけれど情熱のない男性ジョニーのプロポーズを受け入れます。しかし、ジョニーの弟ロニーと出会った時、彼女の心は大きく揺れ動きます。ロニーは事故で片手を失った情熱的な男性で、兄を恨んでいました。月明かりの下で、ロレッタは理性では説明できない激しい恋に落ちていきます。

家族みんなが抱える恋愛問題と、オペラの美しい音楽は見どころです。特にニコラス・ケイジの情熱的な演技と、シェールの輝くような美しさも印象的です。

本当の愛は計算では決められません。この映画は悠然と語っています。

安全で予測できる関係よりも、心を動かす本物の愛の方が人生を豊かにしてくれることを教えてくれる、美しいラブストーリーです。

ウォール街

画像引用元:映画.com

(NO.0796)

監督:オリバー・ストーン

126分/アメリカ
原題または英題:Wall Street
配給:20世紀フォックス

1980年代のニューヨークの金融街が舞台で、お金と欲望をテーマにした物語です。

主人公は野心的な若い証券マンのバド・フォックスです。彼は大金持ちで有名な投資家ゴードン・ゲッコーに憧れ、何とか彼の仲間に入ろうとします。ゲッコーは「強欲は善だ」という考えを持つ冷酷な人物で、バドを弟子にして違法な株取引を教えます。バドは最初は大金を稼いで喜びますが、やがてゲッコーのやり方に疑問を持ち始めます。

この映画は1980年代のアメリカの金融界を鋭く批判した作品として知られるようになりました。マイケル・ダグラスは悪役ゲッコーの演技でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、映画史に残る悪役キャラクターを作り上げました。

お金の力に魅力を感じながらも、それに飲み込まれていく人間の姿が見どころです。豪華な生活の裏にある汚い取引や、家族との関係が壊れていく様子がリアルに描かれています。

お金は大切だけれど、それがすべてではないという普遍的なことを考えさせられます。どんなにお金があっても、正しいことをしなければ本当の幸せは得られないのです。

アンタッチャブル

画像引用元:映画.com

(NO.0797)

監督:ブライアン・デ・パルマ

119分/アメリカ
原題または英題:The Untouchables

配給:パラマウント映画

1930年代のシカゴが舞台で、禁酒法という「お酒を飲んではいけない」という法律があった時代の物語です。

主人公は真面目な連邦捜査官エリオット・ネスです。彼は、シカゴを支配する恐ろしいギャング、アル・カポネを逮捕しようとします。しかし、警察の多くがカポネからお金をもらって言うことを聞いているため、一人では太刀打ちできません。そこで、お金に動かされない正義感の強い仲間たちとチームを作り、「アンタッチャブル(汚れなき者たち)」として悪と戦います。特に、経験豊富な警官マローンが重要な役割を果たします。

ショーン・コネリーはこの映画でアカデミー賞助演男優賞を受賞しました。

見どころは、正義の味方と悪者の迫力ある戦いと、美しい1930年代の街並みです。エンニオ・モリコーネの音楽も感動的で、映画を盛り上げます。

正しいことのためなら困難に立ち向かう勇気ということを考えてみましょう。一人では無理でも、同じ気持ちの仲間がいれば強い敵にも立ち向かえることを教えてくれるのです。

紅いコーリャン

画像引用元:映画.com

(NO.0798)

監督:張芸謀(チャン・イーモウ)

91分/中国
原題または英題:紅高梁 Red Sorghum
配給:AMGエンタテインメント

物語の舞台は1930年代の中国の田舎です。主人公は若い女性ジウアルで、両親によってらい病を患った年老いた酒造業者と結婚させられます。夫が亡くなった後、彼女は酒造所を引き継ぎ、力強く生きていきます。やがて日中戦争が始まり、日本軍が村にやってきて、村人たちは抵抗することになります。

ベルリン国際映画祭で最高賞の金熊賞を受賞しました。

真っ赤なコーリャン畑の美しい映像と、厳しい時代を生き抜く人々の力強さが見どころです。映画全体が鮮やかな赤い色で彩られており、生命力や情熱を表現しているのです。

どんなに困難な状況でも、人は強く生きていけるということ、この映画から考えられるでしょうか?

戦争や貧困といった厳しい現実の中でも、愛する人のために頑張ることの大切さを教えてくれているのです。

危険な情事

画像引用元:映画.com

(NO.0799)

監督:エイドリアン・ライン

119分/アメリカ
原題または英題:Fatel Attraction
配給:UIP

映画は大人向けのサスペンス映画です。主人公は結婚している弁護士のダンです。ある時、妻と娘が旅行で家を空けている間に、仕事で知り合った女性アレックスと関係を持ってしまいます。ダンは一度だけの軽い気持ちでしたが、アレックスは彼に強く執着するようになり、電話をかけたり、職場や家に現れたりして彼を困らせます。やがてアレックスの行動はエスカレートし、ダンの家族にも危険が及ぶようになります。

この映画は世界中で大ヒットし、製作費1400万ドルに対して3億2000万ドルを稼ぎました。

見どころは、普通の家庭に忍び寄る恐怖と、人間の心理を描いたサスペンスです。特にラストの場面での緊張感は映画史に残ると言われています。

軽い気持ちの行動が取り返しのつかない結果を招くことがあります。似たような経験を持つ男性も多いのではないでしょうか?

信頼や約束の大切さ、そして一瞬の判断ミスがどれだけ大きな影響を与えるかを考えさせられます。

ザ・デッド/「ダブリン市民」より

画像引用元:映画.com

(NO.0800)

監督:ジョン・ヒューストン

83分/アメリカ
原題または英題:The Dead
配給:日本ヘラルド映画/ヘラルド・エース

アイルランドの有名な作家ジェイムズ・ジョイスの短編小説を映画にした作品です。

物語の舞台は1904年のダブリン(アイルランドの首都)です。1月6日の寒い夜、モーカン姉妹の家でクリスマスパーティーが開かれます。親戚や友人たちが集まって、歌を歌ったり、話をしたり、楽しい時間を過ごします。主人公はガブリエルとその妻グレッタです。

パーティーの後、ホテルに帰った二人ですが、グレッタが昔愛していた若い男性のことを思い出して悲しくなります。その人はもう亡くなっていました。ガブリエルは、長年連れ添った妻にもまだ知らない過去があることに気づき、人生について深く考えます。

ジョン・ヒューストン監督にとって最後の作品でもありました。

人にはそれぞれ大切な思い出があり、すべてを知ることはできないということでしょうか。

相手を理解しようとする気持ちの大切さを教えてくれているのです。

シルビーの帰郷

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0801)

監督:ビル・フォーサイス

117分/カナダ
原題または英題:Housekeeping
配給:コロムビア

撮影はカナダで行われましたが、アメリカの作品です。マリリン・ロビンソンの小説を映画化した作品です。

物語の舞台は1950年代のアイダホ州の小さな町です。母親を亡くした姉妹ルースとルシールが、おばあちゃんに育てられていましたが、やがて変わり者の叔母シルビーに引き取られることになります。シルビーは普通の人とは違う生き方をしていて、家の中に新聞紙を積み上げたり、夜中に散歩したりします。

姉妹は最初は戸惑いますが、だんだんとシルビーの自由な生き方に興味を持つようになります。しかし、町の人たちはそんなシルビーの生活を心配して、姉妹を別の家庭に引き取ろうとします。

静かで美しい映像と、心に残る物語として海外では絶大な人気があります。

人にはそれぞれ違う生き方があり、普通でなくても自分らしく生きることが大切であるということです。

家族の絆と個人の自由について考えさせられる作品です。

1988年

1988年を象徴するイメージ画像を、わかりやすいようにアニメ風にしてあります。

さよならゲーム

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0802)

監督:ロン・シェルトン

108分/アメリカ
原題または英題:Bull Durham
配給:ワーナー映画

野球をテーマにした恋愛コメディーです。監督のロン・シェルトンは実際にマイナーリーグの選手だった経験があり、リアルな野球の世界を描いています。

物語の舞台はノースカロライナ州のマイナーリーグチーム「ダーラム・ブルズ」。ベテラン捕手のクラッシュは、才能はあるけれど未熟な若手投手ヌークの指導役として呼ばれます。そこには毎シーズン選手の恋人になることで有名な女性ファンのアニーがいて、三人の複雑な関係が始まります。

アメリカの有名スポーツ雑誌「Sports Illustrated」では史上最高のスポーツ映画第1位に選ばれました。野球のリアルな描写と、大人の恋愛を上手に組み合わせた脚本は見応えがあります。

見どころは、経験豊富なクラッシュの人生哲学と、三人の関係がどう変化していくかです。

単なるスポーツ映画ではなく、夢を追い続ける大切さや、本当の愛とは何かを考えさせられます。

野球をあまり知らない人でも、人間ドラマとして十分楽しめますよ。

ホテル・テルミニュス 戦犯クラウス・バルビーの生涯

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0803)

監督:マルセル・オフュルス

267分/アメリカ・フランス
原題または英題:Hôtel Terminus: The Life and Times of Klaus Barbie
配給:ユーロスペース

ナチスの戦犯クラウス・バルビーの人生を詳しく調べたドキュメンタリー映画です。監督のマルセル・オフュルスは、120時間以上のインタビューを4時間27分にまとめました。

バルビーは第二次世界大戦中、フランスのリヨンでゲシュタポ(秘密警察)の責任者として働き、「リヨンの虐殺者」と呼ばれました。多くの人を拷問し、4,000人以上の死に関わったとされています。しかし戦争が終わった後、アメリカのCIAに保護され、偽名を使って南米のボリビアで30年間普通の生活を送っていました。

この映画はアカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞しました。被害者の証言から、バルビーを守った政府関係者まで、様々な立場の人々にインタビューしているのが特徴です。

見どころは、一人の戦犯を通して戦後の複雑な国際関係を明らかにしていることです。

この映画は、過去の出来事が現在にどう影響しているかを教えてくれます。歴史を忘れず、正義について考え続けることになるでしょう。

神経衰弱ぎりぎりの女たち

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0804)

監督:ペドロ・アルモドバル

89分/スペイン
原題または英題:Mujeres al borde de un ataque de nervios
配給:ユーロスペース

恋愛で混乱する女性たちの騒動がギュッと詰まったコメディー作品です。

物語の主人公は女優のペパで、ある日突然恋人のイバンに捨てられてしまいます。彼を探そうとしたペパの周りに、様々な人々が現れて大騒動になります。友人のカンデラはテロリストに関わって警察に追われているし、イバンの息子カルロス(若い頃のアントニオ・バンデラス)も恋人と一緒に現れて、話がどんどん複雑になっていきます。

カラフルな映像と面白い音楽、そして個性的な女性キャラクターたちが魅力的です。

見どころは、混乱した状況の中でも前向きに生きようとする女性たちの姿です。

恋愛で傷ついたり混乱したりしても、それを乗り越えて新しい自分を見つけることができるということを考えさせられます。人生は予想外の出来事でいっぱいですが、それを笑いに変えて生きていく強さだって大切なことではないでしょうか?

ザ・バニシング―消失―

画像引用元:映画.com

(NO.0805)

監督:ジョルジュ・シュルイツァー

106分/オランダ・フランス
原題または英題:Spoorloos
配給:アンプラグド

恋人を探し続ける男性の執念と、想像を絶する結末が描かれています。

物語は、フランス旅行中のオランダ人カップル、レックスとサスキアから始まります。サービスエリアで休憩中、サスキアが突然姿を消してしまいます。3年後もレックスは彼女を探し続けていましたが、ある日犯人から連絡が来ます。真実を知りたいレックスは、危険を承知で犯人に会いに行くことを決意します。

あの有名な映画監督スタンリー・キューブリックも「最も恐ろしい映画」と絶賛しました。1993年にはハリウッドでリメイクされましたが、オリジナル版の衝撃的な結末の方が圧倒的に記憶に残るものです。

普通の日常生活の中から不気味さがじわじわと広がっていく演出はゾクゾクします。派手なアクションはありませんが、心に深く残る恐怖を感じるでしょう。

すべての真実を知ることが必ずしも良いことではないということを考えるかもしれません。

時には知らないままでいることの方が幸せかもしれないという、人生の深いテーマを考えさせられます。

アリス

画像引用元:映画.com

(NO.0806)

監督:ヤン・シュヴァンクマイエル

85分/スイス
原題または英題:Alice
配給:ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画

みんなが知っている「不思議の国のアリス」を、人形アニメーションと実写を組み合わせて作ったという珍しいタイプの映画です。

物語は基本的には「不思議の国のアリス」と同じで、少女アリスが白ウサギを追いかけて不思議な世界に迷い込みます。でも、この映画のキャラクターたちはディズニー版のようにかわいくありません。ウサギは剥製で、中からおがくずが出てきたり、他の動物たちも骨や古い人形で作られていて、少し不気味です。

シュヴァンクマイエル監督は、原作の「不思議の国のアリス」は子供向けの童話ではなく、夢のような話だと考えていました。そのため、この映画も夢の中のように不思議で、時には怖い場面もあります。コップや机などの身の回りのものが勝手に動き出すアニメーション技術はとても素晴らしく印象的です。

大人になっていく時の不安や恐怖も、成長には必要なものだということなのかもしれません。

子供の頃に感じる世界の不思議さや、時には怖さも含めて、それが想像力を育てる大切な体験になるのだということです。普通のアリスとは全然違う、大人が見ても考えさせられる映画です。

真夜中の虹

画像引用元:映画.com

(NO.0807)

監督:アキ・カウリスマキ

73分/フィンランド
原題または英題:Ariel
配信:シネセゾン

厳しい現実の中で小さな希望を見つけていく人たちの物語が描かれています。

主人公はタイストという名前の炭鉱で働いていた男性です。でも炭鉱が閉鎖されて仕事を失い、さらに父親が自殺してしまいます。父親から古いキャデラックの車を受け継いだタイストは、新しい仕事を探すために都市部に向かいます。そこで女性のイルメリと出会い、彼女の子供と一緒に新しい人生を歩もうとします。

登場人物があまり多くを語らないのが特徴の映画です。

無言の表情や日常の風景から、人物の気持ちがよく伝わってきます。辛い状況でも諦めない人々の姿を、ユーモアを交えながら描いています。

どんなに困難な状況でも、人との出会いや小さな親切によって人生は変わっていくということなんですね。大きな出来事は起こりませんが、普通の人たちが静かに前向きに生きていく姿に勇気をもらえるでしょう。

THE THIN BLUE LINE

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0808)

監督:エロール・モリス

103分/アメリカ
原題または英題:The Thin Blue Line
日本公開情報なし

実際に起こった冤罪事件を追った作品で、映画が人の人生を変えた珍しい例として知られています。

1976年、テキサス州ダラスで警察官が殺害される事件が起こりました。ランドール・デール・アダムスという男性が犯人として逮捕され、死刑判決を受けました。しかし、モリス監督が詳しく調べてみると、証拠や証言に多くの矛盾があることがわかりました。本当の犯人は別の人物だったのです。

従来のドキュメンタリーとは違い、事件の再現映像を使ったり、フィリップ・グラスという有名な作曲家の音楽を使ったりして、まるで映画のようなスタイルで作られています。

驚くことにこの映画の公開後、実際にアダムスの無実が証明され、彼が刑務所から釈放されたことです。映画が現実の裁判に影響を与えて、人を救った歴史的な作品です。

正義や真実を追求することの大切さはわかりますが、映画で採決を変えたという、やはり映画には大きな力が宿っているのですね。

時には間違った判断が下されることもありますが、諦めずに真実を探し続けることで、正しい道を見つけることができるということを身をもって教えてくれました。

AKIRA

画像引用元:映画.com

(NO.0809)

監督:大友克洋

124分/PG12/日本
配給:東宝

124分という長編アニメで、日本のアニメが世界で注目されるきっかけとなった歴史的な作品です。

物語は2019年のネオ東京が舞台です。1988年に起こった謎の大爆発から31年後の世界で、バイク少年の金田とその親友の鉄雄を中心とした物語です。鉄雄が事故をきっかけに超能力に目覚めてしまい、その力が暴走してしまうという内容です。国の秘密実験や友情、そして人間の持つ危険な力について描かれています。

手描きで作られた美しいアニメーションと、迫力あるバイクチェイスのシーンは今見ても圧倒されます。ハリウッド映画『マトリックス』など、その後のアクションやSF映画に大きな影響を与えました。

細かく描かれた未来都市の風景と、アニメとは思えないほどリアルな爆発シーンは、今見ても驚きの一言です。友達だった二人の関係が変わっていく様子も心に残ります。

科学技術の進歩が必ずしも人間を幸せにするわけではないということを感じてください。

力を持つことの責任や友情の大切さも教えてくれます。アニメファンでなくても一度は見ておきたい、日本が誇る名作です。

ワンダとダイヤと優しい奴ら

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0810)

監督:チャールズ・クライトン

107分/アメリカ
原題または英題:A Fish called Wanda
配給:MGM/UA映画=UIP

宝石泥棒をめぐる騙し合いと笑いが詰まった作品です。

物語は4人組が宝石を盗むところから始まります。でも盗んだ後、お互いを裏切って宝石を独り占めしようとするため、とんでもない騒動が起こります。アメリカから来た女性ワンダは、宝石の在り処を探るために真面目な弁護士を誘惑しようとします。一方、ワンダの恋人のオットーは頭が悪いのに知的ぶる変な男で、いつもトラブルを起こします。

ケヴィン・クラインはこの映画でアカデミー助演男優賞を受賞。コメディー映画でアカデミー賞を取るのは珍しいことです。

キャラクター同士の面白いやり取りと、次に何が起こるかわからないストーリーは見どころの一つ。

特にオットーのおバカな行動と、ワンダと弁護士の奇妙な恋愛関係は爆笑ものです。

お金や欲に振り回されると人はとんでもない行動を取ってしまうということなんでしょうね。

そんな混乱の中でも思いがけない愛情や友情が生まれることもあるという、人間関係の面白さも感じ取ってくださいね。

風の物語

画像引用元:archives.cinemadureel.org

(NO.0811)

監督:ヨリス・イヴェンス

63分/フランス
原題または英題:Une Histoire de Vent
配給:ユーロスペース

この映画は、年老いた映画監督が中国に行って「風」を撮影しようとする物語です。でも普通のドキュメンタリーとは違って、現実と空想が混ざり合った不思議な映画です。風は目に見えないので、監督は風が動かすものや風の音を通して風を表現しようとします。

映画の中では、中国の神話や伝説の登場人物も出てきます。また、監督自身の人生や思い出も織り込まれています。美しい中国の風景と、ファンタジーのような場面が組み合わされて、まるで詩のような映像作品になっています。

見どころは、風という見えないものをどうやって映像で表現するかという挑戦です。砂漠の砂が舞い上がったり、人々の服がなびいたりする様子を通して、風の存在を感じることができます。

年をとっても新しいことに挑戦するのは素晴らしく心を打ちます。

目に見えないものでも、よく観察すれば感じ取ることができるということなんですね。

裸の銃(ガン)を持つ男

画像引用元:映画.com

(NO.0812)

監督:デヴィッド・ザッカー

85分/アメリカ
原題または英題:The Naked Gun: From the Files of Police Squad!
配給:パナマウント

1主人公はおっちょこちょいな警察官フランク・ドレビンで、エリザベス女王を狙った暗殺計画を阻止しようと奮闘するという傑作コメディです。

コメディ映画史上最高の作品の一つとも言われ海外の批評家からも人気があります。ギャグの密度とタイミングが絶妙で、真顔で繰り出されるギャグが面白いです。

スピード感あふれるドタバタコメディと、たくさんの視覚的・言葉のギャグは一番の見どころでしょう。

真面目な顔でバカバカしいことをするレスリー・ニールセンの演技が最高で、観客は笑いっぱなし。特に野球場での大騒動シーンは見どころです。

人生には予想外のことがたくさん起こるけれど、それを笑い飛ばす力があれば前向きになれます。

困難な状況でも笑顔を忘れずにいることの大切さを、面白おかしく教えてくれる作品です。観終わった後、きっと気持ちが軽くなりますよ。

ニュー・シネマ・パラダイス

画像引用元:映画.com

(NO.0813)

監督:ジュゼッペ・トルナトーレ

124分/PG12/イタリア・フランス合作
原題または英題:Nuovo Cinema Paradiso
配給:日本ヘラルド映画

舞台はシチリア島の小さな村。映画好きの少年トトは、映画館「パラダイス座」で働く映写技師アルフレードおじいさんと出会い、映画の魅力に夢中になります。やがてトトは映画監督になるため村を離れますが、大人になって故郷に戻った時、アルフレードからの特別な贈り物が待っていました。

この映画は世界中で愛され、アカデミー外国語映画賞を受賞。特に、エンニオ・モリコーネが作った美しい音楽と、ラストシーンの「キスシーンの集合映像」は多くの人を感動させました。

日本でも、どの媒体でもおすすめ映画に頻繁に上がるほど人気のある映画です。

見どころは、映画が人々にとってどれほど大切な存在かを描いているところです。家族や友達との思い出、初恋の記憶、そして夢を追いかける気持ちが、映画館を通して温かく描かれています。

大切な人との思い出は時間が経っても心の支えになるということ。そして、夢を叶えるためには時に辛い別れもあるけれど、それもまた人生の大切な一部だということを伝えています。

映画を愛するすべての人におすすめの物語です。

火垂るの墓

画像引用元:映画.com

(NO.0814)

監督:高畑勲

88分/日本
配給:東宝

第二次世界大戦末期の神戸を舞台に、14歳の清太と4歳の妹節子が、空襲で母を失った後、必死に生き抜こうとする姿を描いています。父は軍艦で戦争に行っており、頼れる大人がいない中、二人だけで厳しい現実と向き合わなければなりません。

海外でも多くの人が「アニメーションの枠を超えた反戦映画の傑作」と絶賛し、戦争映画史上最高の作品の一つとされています。とても悲しい内容も含んでおり、一度見たら忘れられないが、二度は見られない映画とも言われます。

兄妹の愛情深い絆と、戦争が普通の子どもたちの日常をどれほど残酷に奪うかを静かに、しかし力強く描いているところは記憶に残るものです。蛍の美しい光と短い命が、兄妹の運命と重ね合わされ、心に深く刻まれます。

戦争がどれほど理不尽で、特に弱い立場の人々に大きな犠牲を強いるかということを考えてしまいます。

どんなに困難な状況でも、家族を大切に思う気持ちの尊さを教えてくれます。平和の大切さを改めて考えさせられる、すべての人に見てほしい名作です。

兄の行動は畜生とかいろんなことを言われ、今でも議論の的になっており、尽きることはありません。

ビッグ

画像引用元:映画.com

(NO.0815)

監督:ペニー・マーシャル

104分/アメリカ
原題または英題:Big
配給:20世紀フォックス

子どもと大人の世界を温かく描いた作品です。13歳の少年ジョシュは、遊園地の不思議な機械に「大きくなりたい」とお願いします。すると翌朝、なんと30歳の大人の体に変身してしまいました。家族に信じてもらえず家を出たジョシュは、ニューヨークでおもちゃ会社に就職し、子どもならではのアイデアで大成功を収めます。

トム・ハンクスの演技は絶賛され、アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされました。子どもの心を持ち続けることの大切さを教えてくれる作品なのです。

最も有名なのは、おもちゃ会社の社長とジョシュが大きなピアノを足で弾くシーンでしょうか。映画史に残る名場面として多くの人に愛されています。

トム・ハンクスが大人の体で子どもの心を表現する演技も印象的で面白いですね。

大人になっても子どものような純粋な心や好奇心を持ち続けることって素晴らしいじゃないですか。

本当の成長とは年を重ねることではなく、人を思いやる優しさを身につけることだというメッセージを投げています。笑いと感動がつまった、家族みんなで楽しめる作品です。

ロジャー・ラビット

画像引用元:映画.com

(NO.0816)

監督:ロバート・ゼメキス

104分/アメリカ
原題または英題:Who Framed Roger Rabbit
配給:ディズニー

実写とアニメーションを見事に組み合わせた画期的な作品です。舞台は1947年のハリウッド。アニメキャラクター(トゥーン)と人間が一緒に暮らす世界で、人気者のロジャー・ラビットが殺人事件の濡れ衣を着せられてしまいます。トゥーン嫌いの探偵エディが、ロジャーと協力して真犯人を見つけ出そうとする冒険コメディです。

アカデミー賞では視覚効果賞など3部門を受賞しました。当時としては不可能とも思われた実写とアニメの融合技術は、映画史を変える革命的な成果と言われます。

最大の見どころは、ディズニーのミッキーマウスとワーナーのバッグス・バニーが同じ画面に登場する奇跡のシーン。これは映画史上初で、今でも唯一の共演です。

ドナルドダックとダフィーダックのピアノ対決も名場面として語り継がれています。

違いを乗り越えて協力することで人生の扉を開けることがあります。

最初は対立していたエディとロジャーが友情を築く姿は、多様性を受け入れることの道を教えてくれます。技術革新に酔っていただき、心温まるメッセージを感じてみましょう。

デカローグ

画像引用元:映画.com

(NO.0817)

監督:クシシュトフ・キェシロフスキ

585分/ポーランド
原題または英題:Dekalog
配給:ユーロスペース

旧約聖書の「十戒」からヒントを得て作った全10話の連作ドラマです。ワルシャワの大きな集合住宅を舞台に、そこに住む人々が日常生活の中で直面する道徳的な選択や葛藤を描いています。各話は1時間程度で、全部で約10時間の大作です。

この作品は世界中の映画関係者から絶賛され、特に有名な映画監督スタンリー・キューブリックは「これまで見た唯一の映画の傑作」と最高の賛辞を送りました。海外の批評サイトでも完璧に近い評価を受けており、「テレビのために作られた最高の作品」と称されています。

普通の人々が抱える複雑な感情や迷いを、美しい映像と音楽で丁寧に描いているところはいつまでも見入ってしまう力強さを感じます。答えの出ない難しい問題に向き合う登場人物たちの姿も深く響きますよね。

人生には簡単な答えのない問題がたくさんあり、それでも私たちは自分なりの答えを見つけて生きていかなければならないということを伝えようとしているのでしょうか?

正しい選択とは何かを考えさせてくれるでしょう。

レインマン

画像引用元:映画.com

(NO.0818)

監督:バリー・レヴィンソン

134分/G/アメリカ
原題または英題:Rain Man

配給:ユナイテッド・アーティスツ

お金にしか興味のない青年と自閉症の兄との心の交流を描いた感動作です。主人公チャーリーは父の遺産が自分ではなく、存在すら知らなかった兄レイモンドのいる施設に残されたことを知ります。お金目当てでレイモンドを連れ出したチャーリーでしたが、アメリカ横断の旅を通して、次第に兄の純粋さや優しさに気づいていきます。

この映画は世界中で大ヒットし、アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞(ホフマン)、脚本賞の4部門を受賞。ダスティン・ホフマンの演技は、自閉症の人々の特徴を丁寧に研究して作り上げられ、衝撃的な演技を披露しています。

見どころは、最初は自分勝手だったチャーリーが、兄との時間を通して思いやりを学んでいく姿です。カジノでレイモンドの特別な能力が発揮されるシーンも有名ですね。

家族の大切さと、相手を理解しようとする気持ちを学んでいきましょう。

違いがあっても、心を開けば深いつながりが生まれることを教えてくれます。

ダイ・ハード

画像引用元:映画.com

(NO.0819)

監督:ジョン・マクティアナン

131分/アメリカ
原題または英題:Die Hard
配給:20世紀フォックス映画

アクション映画の歴史を変えた傑作です。ニューヨーク市警の刑事ジョン・マクレーンが、クリスマスイブの夜、ロサンゼルスの高層ビル「ナカトミ・プラザ」で起きたテロ事件に巻き込まれます。妻に会いに来ただけなのに、たった一人でテロリスト集団と戦うことになってしまうのです。

世界中の映画ファンや批評家が「これまでのアクション映画とは全く違う」と絶賛し、その後のアクション映画の手本となりました。

マクレーンが決してスーパーヒーローではないところに注目!

怖がったり、けがをしたり、普通の人間らしい弱さを見せながらも、諦めずに立ち向かう姿には感動するでしょう。特に裸足でガラスの上を歩くシーンは痛々しくて有名ですよね。

どんなに絶望的な状況でも、知恵と勇気があれば道は開けるということでしょうか。マクレーンのように「諦めない心」を持つことを感じとれます。革命的なアクション映画を堪能しながら、前を向く心を身につけていきましょう。

危険な関係

画像引用元:映画.com

(NO.0820)

監督:スティーヴン・フリアーズ

121分/アメリカ・イギリス
原題または英題:Dangerous Liaisons
配給:ワーナー・ブラザース映画

物語の主人公は、社交界で権力を握る美しい侯爵夫人メルトイユです。彼女は自分を捨てた元恋人への復讐として、昔の愛人バルモン子爵に「清純な女性たちを誘惑して破滅させる」という危険なゲームを持ちかけます。しかし、このゲームが思わぬ方向に転がっていき、やがて全員が悲劇に巻き込まれていくのです。

18世紀フランスの宮廷を忠実に再現した美しい映像もいいですが、最初は冷酷に見えた登場人物たちが、次第に愛や良心に揺れ動く様子も面白いです。

人の心を操ろうとすることの危険性を感じとってみましょう。

登場人物たちは、恋愛を単なるゲームや復讐の道具として使おうとします。しかし、人の感情は計算通りにはいかないものです。他人を傷つけようとした人たちが、最終的には自分自身も深く傷ついてしまうのです。

周りの人に認められたいがために見栄を張ったり、嫉妬心から相手を陥れようとしたりすることの愚かさも描かれています。真の幸せは、自分らしく誠実に生きることから生まれることを、美しくも悲しい物語を通して私たちに伝えているのです。

戦慄の絆

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0821)

監督:デヴィッド・クローネンバーグ

115分/カナダ
原題または英題:Dead Ringers

配給:ベストロン映画

主演のジェレミー・アイアンズが双子の兄弟を一人で演じ分けるという、技術的にも演技的にも非常に高度な作品として知られています。

物語の主人公は、トロントで産婦人科を経営する一卵性双生児の兄弟、エリオットとビヴァリーです。兄のエリオットは社交的で自信家、弟のビヴァリーは内気で繊細な性格と、見た目は全く同じでも性格は正反対。幼い頃から何でも共有してきた二人でしたが、ある女優の患者クレアとの出会いによって、これまでの完璧なバランスが崩れ始めます。やがて薬物依存や嫉妬によって、二人は悲劇的な結末へと向かっていくのです。

同じ俳優が演じているとは思えないほど異なる二つの人格も見どころですが、実際に起きた双子の医師の事件をもとにしているお話しであるというのはびっくりしますね。美しくも不気味な医療器具や映像も注目です。

この映画は単なるホラー映画ではなく、現代の私たちにも通じる大切な教訓を含んでいます。

双子の兄弟は「一心同体」を理想としていましたが、結果的にお互いの個性を失ってしまいました。友達や家族と仲良くすることは大切ですが、自分の意見や好みをしっかり持つことも同じくらい重要です。

人間関係の難しさと大切さを深く考えさせてくれる作品です。重いテーマですが、自分自身の成長や人との関わり方について考えるきっかけを与えてくれるでしょう。

ロボコップ

画像引用元:映画.com

(NO.0822)

監督:ポール・バーホーベン

117分/G/アメリカ
原題または英題:RoboCop
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

近未来SFアクション映画で、単なるアクションを超えた深いメッセージが込められた名作として今でも愛され続けています。

舞台は犯罪であふれる近未来のデトロイト。警察は巨大企業オムニ社に支配され、治安は悪化の一途をたどっていました。そんな中、新任警官のマーフィは凶悪な犯罪者集団に襲われ、命を落としてしまいます。しかし、オムニ社は彼の体を使って最強のサイボーグ警官「ロボコップ」を作り上げます。

強力な武器と装甲を身にまとったロボコップは次々と犯罪者を逮捕し、市民のヒーローとなります。しかし、彼の中に残った人間時代の記憶が少しずつ蘇り、自分が誰だったのかを思い出していくのです。

ロボコップの圧倒的な戦闘シーンも見どころですが、企業支配や暴力的なメディアへの批判という社会風刺も含まれています。機械にされても残る人間らしい心の描写も胸をうたれます。

ロボコップは法律に従うようプログラムされていますが、本当の正義のために時にはその命令に逆らいます。ルールを守ることと正しいことをすることが異なる場合もあるということを教えてくれます。

エンターテインメントとして楽しみながら、人間性や社会の問題について深く考えさせてくれるでしょう。

遠い声、静かな暮し

画像引用元:映画.com

(NO.0823)

監督:テレンス・デイヴィス

84分/イギリス
原題または英題:Distant Voices, Still Lives
配給:シネセゾン

1940~50年代のイギリス・リヴァプールを舞台にした家族の物語を、まるで詩のような美しい映像で描いています。

この映画は「遠い声」と「静かな暮し」の2つの部分に分かれています。物語は長女アイリーンの結婚式から始まり、家族が亡くなった父親を思い出すところから展開します。父親は厳しく、時には暴力的でしたが、家族はそれぞれに父を愛していました。

映画では過去と現在が行ったり来たりしながら、家族の日常が描かれます。特徴的なのは、登場人物たちが頻繁に歌を歌うこと。当時人気だった歌謡曲や映画音楽など約30曲が使われ、歌が家族の感情や記憶を表現する重要な役割を果たしています。

この映画は、家族や記憶について大切なことを教えてくれます。映画の父親は決して理想的ではありませんが、家族はそれでも父を愛していました。現実の家族関係も完璧ではないけれど、それでも大切な絆があるのです。

すべての記憶が今の自分を作っています。嫌なことがあっても、それも自分の人生の一部として受け入れることが大切です。
特別な出来事ではなく、普通の日常生活の中にこそ本当の美しさや意味があることを気づかせてくれるでしょう。

霧の中の風景

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0824)

監督:テオ・アンゲロプロス

125分/ギリシャ・フランス
原題または英題:TOPIO STIN OMICHLI
配給:フランス映画社

会ったことのない父親を探すために旅に出る12歳の少女ヴーラと5歳の弟アレクサンドロスの物語を、詩のような映像で描いています。

アテネに住む姉弟は、「お父さんはドイツにいる」という母親の言葉を信じて、二人だけで父親を探す旅に出ます。しかし実際には、父親が本当に存在するのかも分からない状況です。

旅の途中で姉弟は様々な人々と出会います。優しくしてくれる旅芸人の青年もいれば、冷たく扱う大人たちもいます。長い旅路の中で、二人は人生の美しさと残酷さの両方を体験し、少しずつ大人になっていくのです。

霧に包まれた風景や冬の自然が幻想的に描かれ、一つのシーンを長時間撮影することで深い余韻を生み出しています。海から引き上げられる巨大な手の彫刻など、印象的な場面も多いですね。

人生について大切なこと、現実と向き合う勇気や、家族のきずなの強さなど考えさせられます。

また、映画の最後で姉弟が霧の中で一本の木を見つけるシーンは、どんなに暗い状況でも希望の光が見つけられることを表しています。人生に迷った時でも、必ず進むべき道があるのです。

家族や友達との関係について、そして自分の将来について考えるきっかけを与えてくれる映画なのです。

主婦マリーがしたこと

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0825)

監督:クロード・シャブロル

108分/フランス
原題または英題:Une Affaire De Femmes
配給:シネマドゥシネマ

第二次世界大戦中のフランスを舞台に、実際に起きた事件をもとにした重い内容の映画です。主演のイザベル・ユペールが、時代に翻弄される一人の女性を力強く演じています。

物語の主人公マリーは、戦争で夫が出征している間、二人の子どもを抱えて貧しい生活を送っていました。生活に困った彼女は、近所の女性の悩みを助けることから始まって、やがて法律で禁じられていることを仕事にするようになります。戦争という特殊な状況の中で、女性たちは様々な困難に直面し、生きるために厳しい選択を迫られていました。マリーの行為は女性たちを助ける一方で、当時の法律に反するものでした。夫が戦争から帰ってきた後、夫婦の関係は悪化し、最終的に悲劇的な結末を迎えることになります。

戦争や社会の混乱の中では、普通の人々が想像もしなかった厳しい選択を迫られることがあります。

マリーは決して悪い人ではありませんでしたが、生きるために法律に反することをせざるを得ませんでした。これは、人は環境によって変わるのです。

重いテーマですが、人生の選択や、社会の中で生きることの難しさについて考えるきっかけを与えてくれる映画です。

数に溺れて

画像引用元:映画.com

(NO.0826)

監督:ピーター・グリーナウェイ

114分/イギリス
原題または英題:Drowing by Numbers
配給:シネセゾン

普通の映画とは全く違う独特な作りになっています。この映画の最大の特徴は、1から100までの数字が映像のどこかに必ず現れることです。まるで隠れた宝物を探すゲームのように、観客は数字を見つけながら映画を楽しむことができます。

物語は、シシー・コルピッツという同じ名前を持つ三人の女性の話です。彼女たちは祖母、母、娘の三世代にわたる家族で、それぞれが自分の夫を水で溺れさせてしまいます。しかし、この映画は恐ろしい犯罪映画ではありません。どこかユーモアがあり、美しい絵のような映像で描かれています。地元の検死官マジェットという男性が、彼女たちの犯罪を隠すために協力することになり、さらに複雑なお話しになっていきます。

カンヌ国際映画祭で芸術貢献賞を受賞するなど、その独創性が認められました。映像の美しさと知的な仕掛けは独創的で美しくもあります。難解ですが、映画を芸術として楽しみたい人にとっては魅力的な作品です。

人生には一見意味のないように見える偶然や出来事があっても、それらすべてに何らかの意味やつながりがあるということでしょうか。

映画の中で1から100まで順番に現れる数字は、人生の出来事が全て意味を持っていることを表しているのかもしれません。三人の女性がそれぞれ異なる理由で同じような行動を取ることで、人間の行動には表面的には似ていても、それぞれ違う背景や動機があることがわかります。

人生も一種のゲームのようなものかもしれません。私たちは社会や学校でいろいろなルールに従って生活していますが、時にはそのルールが意味のないものに思えることもあります。しかし、ルールがあるからこそ、私たちは安心して生活することができるのです。

自分なりの解釈を見つけていく楽しさもあり、正解のない芸術作品として、見る人それぞれが違った感想を持つことになるかもしれません。

偶然の旅行者

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0827)

監督:ローレンス・カスダン

121分/アメリカ
原題または英題:The Accidental Tourist
配給:ワーナー・ブラザース

この映画の主人公マコンは、旅行が嫌いな人のための旅行ガイドブックを書く仕事をしています。でも彼の人生に大きな悲劇が起こります。12歳の息子が強盗事件で亡くなってしまい、悲しみのあまり妻のサラとも別れることになってしまうのです。マコンは心を閉ざして、毎日同じことを繰り返すだけの生活を送るようになります。

そんな時、愛犬エドワードのしつけで困ったマコンは、犬の訓練士ミュリエルに出会います。ミュリエルは明るくて自由な女性で、息子もいるシングルマザーです。最初はマコンも心を開こうとしませんが、ミュリエルの優しさと明るさに少しずつ救われていきます。ところが、別れた妻のサラが戻ってきて、マコンはどちらを選ぶか決めなければならなくなります。

こんなに悲しいのに、こんなに笑える映画は見たことがないという内容です。

この映画の魅力は、大きな事件が起こるわけではないのに、日常の小さな出来事や人との出会いが人生を変える力を持っていることを教えてくれるところです。

悲しみに沈んだ人でも、新しい出会いによって再び笑顔を取り戻せることを、静かで優しい物語で描いています。きっと観た人は「人生には希望がある」ということを感じられるでしょう。

大人の恋愛映画ですが、家族の大切さや、困難な時期を乗り越える強さについても考えさせてくれます。

1989年

1989年を象徴するイメージ画像を、わかりやすいようにアニメ風にしました。

恋人たちの予感

画像引用元:映画.com

(NO.0828)

監督:ロブ・ライナー

96分/アメリカ
原題または英題:When Harry Met Sally…
配給:日本ヘラルド映画

「男女の友情は本当に成り立つのか?」という疑問をテーマにした物語です。

大学を卒業したハリーとサリーは、シカゴからニューヨークまで一緒に車で移動することになります。でも二人の性格は正反対で、皮肉屋のハリーと几帳面なサリーはお互いを嫌いになってしまいます。その後、偶然ニューヨークで再会した二人は少しずつ友達になっていきますが、恋愛感情が芽生えてくると「友達でいるべきか、恋人になるべきか」で悩むことになります。

脚本を書いたノーラ・エフロンはアカデミー賞にもノミネートされ、会話の面白さが特に評価されました。

見どころは何といっても二人の軽快な会話です。ハリーとサリーの掛け合いはとても面白く、観ている人も思わず笑ってしまいます。特にレストランでサリーが演技をするシーンは映画史に残る名場面として語り継がれています。

ニューヨークの美しい街並みが四季とともに描かれ、二人の関係の変化を美しく表現しています。

真の愛は時間をかけて育まれるのです。

一目惚れのような激しい恋も素敵ですが、お互いをよく知り、理解し合ってから生まれる愛情の方が深くて長続きするのだというメッセージなのでしょう。

友達から始まった関係でも、本当に大切な人なら必ず気づく時が来るという希望に満ちたメッセージが込められています。笑いながら恋愛について考えさせてくれる作品です。

ウディ・アレンの重罪と軽罪

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(NO.0829)

監督:ウディ・アレン

104分/アメリカ
原題または英題:Crimes and Misdemeanors
配給:オライオン映画=ワーナー・ブラザース

この映画は人間の心の奥深くにある「善と悪」について考えさせられる、とても深い内容の作品です。

物語は二つの話が同時に進みます。一つ目は成功した眼科医ジュダの話です。彼は妻がいるのに愛人と付き合っていて、その愛人が妻に全てを話すと脅してきます。追い詰められたジュダは、とんでもない決断をしてしまいます。二つ目はドキュメンタリー映画を作るクリフ(ウディ・アレン自身が演じる)の話で、彼は生活に困りながらも自分の理想を追い続けています。この二つの物語が最後に交わり、人生の意味や正義について深く考えさせられる結末を迎えます。

ウディ・アレンはこの作品でアカデミー賞の監督賞と脚本賞の両方にノミネートされました。アレン監督の最も深遠で完成度の高い作品とも言われ、コメディーとシリアスな内容が見事に組み合わされています。

普通の映画のように善い人が報われて悪い人が罰せられるのではなく、現実の複雑さを描いているところが面白い! 

正直に生きても幸せになれない人がいる一方で、悪いことをしても何の罰も受けない人もいます。この映画はそんな人生の不公平さを、時にはユーモアを交えながら描いています。

人生は教科書のように白黒はっきりしていないということを学びましょう。

正義や幸せは必ずしも努力した人に与えられるわけではありません。それでも私たちは毎日選択をし続けなければならず、その選択こそが自分らしい生き方を作っていくのだと教えてくれます。人生について深く考えるきっかけを与えてくれる映画なのです。

バットマン

画像引用元:映画.com

(NO.0830)

監督:ティム・バートン

126分/アメリカ
原題または英題:Batman
配給:ワーナー・ブラザース映画

それまでの明るくコミカルなバットマンのイメージを一変させ、ダークで大人向けのヒーロー映画として話題になりました。

物語の主人公は大富豪のブルース・ウェインです。彼は表向きは普通のお金持ちですが、実は夜になると黒いマスクとマントを身に着けて「バットマン」として犯罪者と戦っています。ゴッサム・シティという暗い街で、彼の前に現れる最大の敵が狂気に満ちたジョーカーです。ジョーカーは殺人を楽しむ恐ろしい悪役で、バットマンとの壮絶な戦いが繰り広げられます。

ジャック・ニコルソンのジョーカー役の演技は「映画史に残る悪役」として絶賛され、ティム・バートン監督の暗くて美しい映像も多くの人を魅了しました。

この映画によって、その後のスーパーヒーロー映画の作り方が大きく変わったと言われています。

まるで悪夢のような美しいゴッサム・シティの街並みと、ダニー・エルフマンが作った迫力ある音楽は注目です。バットマンが完璧なヒーローではなく、心に傷を負った人間として描かれているところも印象的です。ジョーカーとの戦いは単純な善対悪の話ではなく、どちらも複雑な心を持った人物として描かれています。

どんなに強そうに見える人でも心の奥に痛みや恐れを抱えているということでしょうか。

バットマンは超能力を持たない普通の人間ですが、正義のために戦い続ける強い意志を持っています。完璧でなくても、自分の信念を持って頑張ることの大切さを教えてくれているのです。

フィールド・オブ・ドリームス

画像引用元:映画.com

(NO.0831)

監督:フィル・アルデン・ロビンソン

107分/G/アメリカ
原題または英題:Field of dreams
配給:東宝東和

野球を題材にしていますが、野球のルールを知らなくても十分楽しめる、家族愛や夢について描いた物語です。

主人公はアイオワ州で農業をしているレイという男性です。ある日、彼は「それを作れば、彼がやって来る」という不思議な声を聞きます。その声に導かれて、レイは自分の大切なトウモロコシ畑を削って野球場を作ってしまいます。家族や近所の人たちは「頭がおかしくなった」と心配しますが、妻のアニーは夫を信じて支えます。すると本当に、昔の伝説的な野球選手たちの幽霊が現れて、その野球場でプレーを始めるのです。

アカデミー賞では作品賞を含む3部門にノミネートされ、多くの人から「心が温まる名作」として称賛されました。特に映画の最後に出てくる父と息子のキャッチボールのシーンは、多くの人を涙させる名場面として語り継がれています。

現実と幻想が混じり合う不思議で美しい世界。本当に美しいんです。夕暮れの野球場に現れる選手たちが観る人の心を優しく包み込みます。常識では理解できないことでも、愛と信念があれば素晴らしいことが起こるかもしれないという希望を与えてくれます。

夢を信じることの大切さと、家族の絆の素晴らしさを考えていきましょう。

周りの人に理解されなくても、自分が正しいと思うことを貫く勇気を持つこと、そして失ったものを取り戻すことはできなくても、新しい関係を築くことはできるということを教えてくれます。野球ファンでなくても心に残る作品となるでしょう。

グローリー

画像引用元:映画.com

(NO.0832)

監督:エドワード・ズウィック

122分/アメリカ
原題または英題:Glory
配給:トライ・スター映画=コロムビア/トライ・スター映画

今から約160年前のアメリカ南北戦争の時代を舞台にした実話に基づく物語です。

物語の主人公は、アメリカで初めて作られた黒人だけの部隊「第54マサチューセッツ連隊」の兵士たちです。当時のアメリカでは黒人への差別がひどく、黒人は兵士になることすら許されていませんでした。しかし、奴隷制度に反対する北軍が、ついに黒人部隊を作ることを決めたのです。白人の指揮官ショー大佐のもと、元奴隷の兵士たちが厳しい訓練を受け、自分たちの自由と尊厳のために戦います。

アカデミー賞では5部門にノミネートされ、デンゼル・ワシントンが助演男優賞を受賞したほか、撮影賞と音響賞も受賞しました。歴史に埋もれた英雄たちを描いた傑作であり、戦争映画でありながら深い人間ドラマになっています。

差別と戦いながらも誇りを持って生きようとする兵士たちの姿は見応えがあります。特にデンゼル・ワシントンが演じる兵士が、仲間をかばって鞭で打たれるシーンや、最後の戦闘シーンは多くの人の心を揺さぶります。戦争の怖さだけでなく、人間の勇気や友情の美しさも描かれています。

この映画から学べるのは、どんなに困難な状況でも自分の信念を貫くことの大切さです。

差別や偏見に負けず、自分らしく生きる勇気を持つこと、そして仲間と支え合うことの素晴らしさを教えてくれます。戦争映画ですが、人間の尊厳と勇気について考えてみましょう。

コックと泥棒、その妻と愛人

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0833)

監督:ピーター・グリーナウェイ

120分/イギリス・フランス
原題または英題:The Cook, The Thier, His Wife & Her Lover
配給:ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画

この映画は非常に過激な内容で話題になりましたが、同時に映像美術の傑作としても知られています。

物語は高級レストランを舞台に展開します。粗暴な犯罪者アルバートがレストランを支配し、毎晩妻のジョージーナを連れて食事をしています。アルバートは暴力的で下品な男で、周りの人々を苦しめています。そんな中、ジョージーナは静かな本屋の店主マイケルと恋に落ち、秘密の関係を始めます。しかし、この不倫が発覚すると、恐ろしい復讐劇が始まります。

批評家たちは「映像芸術として強烈なインパクトがある」「暴力と官能を寓話的に描いた野心的な作品」と評価しています。ただ過激な内容で、アメリカでNC-17指定(17歳未満鑑賞禁止)を受けています。

見どころは徹底的に計算された映像美です。レストランの各部屋が異なる色(赤、緑、白、青など)で装飾され、登場人物の衣装も部屋を移動するたびに色が変わります。この色彩の使い方は、人物の心理状態や物語の意味を表現する仕掛けになっています。また、ヘレン・ミレンは弱々しい妻から復讐に燃える女性への変化を見事に演じています。

この映画は単なるショック映画ではありません。

権力者による支配や暴力、そして人間の尊厳について深く考えさせられます。過激な表現の裏には、人間がいかに残酷になれるか、そして愛や正義のために何ができるかという問いが込められているのです。

マイ・レフト・フット

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0834)

監督:ジム・シェリダン

103分/イギリス
原題または英題:My Left Foot
配給:ワーナー・ブラザース

主人公のクリスティ・ブラウンは、生まれたときから脳性麻痺という病気を患っていました。この病気のせいで、体の中で自由に動かせるのは左足だけでした。アイルランドの貧しい家庭に生まれた彼を、多くの人は「何もできない子」だと思っていました。しかし、クリスティは諦めませんでした。5歳のとき、左足でチョークを持って床に文字を書き、自分にも学ぶ力があることを証明したのです。

その後、クリスティは左足だけを使って絵を描き、文章を書くことを覚えます。お母さんや家族の愛情に支えられながら、ついには有名な作家や画家として成功するまでになりました。

主演のダニエル・デイ=ルイスはアカデミー賞の主演男優賞を、お母さん役のブレンダ・フリッカーは助演女優賞を受賞しました。ダニエル・デイ=ルイスは撮影中、本当に脳性麻痺の人のように生活し、車椅子で移動するなど、とてもリアルな演技を見せました。

体に障害があっても、周りの人に理解されなくても、諦めずに努力し続ければ道は開けるということメッセージを伝えています。そして家族の愛情がどれほど大切かも描かれています。

困難な状況にある人や、自分に自信を持てない人にとって、クリスティの生き方は大きな励みとなるでしょう。

狼/男たちの挽歌・最終章

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0835)

監督:ジョン・ウー

111分/香港
原題または英題:The Killer 喋血雙雄
配給:ギャガ・コミュニケーションズ

主人公は腕利きの殺し屋アー・ジョン。ある仕事の最中、銃撃戦で女性歌手ジェニーの目を傷つけてしまいます。彼女は失明の危機に。罪悪感を感じたアー・ジョンは、彼女の手術費を稼ぐため最後の仕事を引き受けます。しかし裏切りに遭い、彼を追う刑事リーと奇妙な友情を築きながら、組織との最終決戦に向かいます。

この映画は国際的に絶賛され、ジョン・ウーがハリウッドに進出するきっかけとなり、クエンティン・タランティーノやロバート・ロドリゲスなど多くの監督に影響を与えました。

まるでバレエのように美しい銃撃戦は見応えがあります。スローモーション撮影や二丁拳銃を使ったアクションシーンは、後のアクション映画のお手本となりました。敵同士でありながら互いを理解し合う主人公と刑事の関係も感動的です。

どんな悪い境遇にあっても「人を思いやる心を失ってはいけない」ということを教えてくれます。

アー・ジョンが自分の犯した過ちを償おうとする姿は、責任感と誠実さの大切さを示しています。激しいアクションの中にも人間の温かさがあり、観る人の心に深く響く作品です。

ドラッグストア・カウボーイ

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0836)

監督:ガス・ヴァン・サント

100分/アメリカ
原題または英題:Drugstore Cowboy
配給:ギャガ・コミュニケーションズ

1971年のアメリカ・オレゴン州ポートランドが舞台。主人公ボブは、妻ダイアンや友人たちと一緒に薬局を襲って薬を盗み、それを売って生活している若者です。彼らは薬物に依存しており、次々と薬局を襲いながら放浪生活を続けています。しかし、仲間の一人が薬物の過剰摂取で亡くなってしまい、ボブは「もうこんな生活をやめよう」と決心します。でも、過去から逃れることは簡単ではありませんでした。

薬物依存をリアルに描いた傑作でもあります。

薬物使用を美化せず現実的に描いているのが特徴で、実際に薬物依存を経験したジェームス・フォーグルの自伝的小説が原作なので、とてもリアルです。

有名な作家ウィリアム・S・バロウズも出演しています。

悪い道に進んでも、やり直すチャンスはあるというメッセージが伝わります。

ボブが新しい人生を始めようとする姿は、間違いを犯しても立ち直ろうとする人間の強さを表しているのです。

無気力症シンドローム

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0837)

監督:キラ・ムラートワ

133分/ソビエト連邦
原題または英題:Астенический синдром  The Asthenic Syndrome
配給:サザンクロスビデオアーツ

ソビエト連邦が崩壊する直前の混乱した社会を描いた作品です。

この映画は二つの部分に分かれています。最初は白黒映像で、夫を亡くした女性が怒りと絶望に支配される様子が描かれます。しかし途中で、これは映画の中の映画だったことがわかり、画面がカラーに変わります。そして主人公は、その映画を見ていた中学校教師のニコライに変わります。彼は「無気力症シンドローム」という病気で、授業中や大切な会議中でも眠ってしまいます。これは単なる病気ではなく、当時のソビエト社会の行き詰まりを表しています。

映画批評家からは「ソビエト連邦末期の社会状況を最も鋭く描いた作品」「グラスノスチ時代の映画の最高傑作」と絶賛されました。

普通の映画とは全く違う作り方をしている映画です。娯楽要素はほとんどなく、強いインパクトを与えます。

監督は「人々は見たくないものを見せる」ことで、社会の問題を訴えているのです。

社会の問題は個人の心にも大きな影響を与えるということを痛感します。

一人一人の無気力は、その人だけの問題ではなく、社会全体の病気の表れなのだと気づかせてくれます。

ドゥ・ザ・ライト・シング

画像引用元:映画.com

(NO.0838)

監督:スパイク・リー

120分/アメリカ
原題または英題:Do the Right Thing

配給:ユニバーサル映画

人種問題をテーマにした重要な作品として今でも語り継がれています。

舞台はニューヨーク・ブルックリン地区の夏の暑い一日。イタリア系アメリカ人のサルが経営するピザ店で働くアフリカ系アメリカ人のムーキー(スパイク・リー監督自身が演じる)が主人公です。お店の壁にはイタリア系の有名人の写真ばかりが飾ってあり、地元のアフリカ系住民が「この地域に住む黒人の写真も飾るべきだ」と要求します。小さな対立から始まった問題が、猛暑とともにだんだん大きくなり、最後には暴動に発展してしまいます。

アメリカ映画協会(AFI)の「アメリカ映画ベスト100」にも96位にランクインされており、日本でも多くの映画ファンに衝撃を与えました。

この映画の特徴は、誰が「正しい」のかを簡単に決めつけないことです。登場人物それぞれに言い分があり、観る人によって感想が変わります。パブリック・エネミーの「Fight the Power」という曲が効果的に使われ、鮮やかな色彩の映像で街の熱気を表現しています。

正しいこと(Do the Right Thing)とは何かを考えてみましょう。人種や文化の違いから生まれる対立に簡単な答えはありませんが、お互いを理解しようとする気持ちが大切なのでしょう。そう伝えているのだと感じます。

ニューヨーク・ラブ・ストーリー(アンビリーバブル・トゥルース)

画像引用元:映画.com

(NO.0839)

監督:ハル・ハートリー

97分/アメリカ
原題または英題:The Unbelievable Truth
配給:ジェイ・ブイ・ディー

独特な会話とユーモアが魅力のインディペンデント映画です。

殺人の罪で刑務所にいたジョシュが故郷のロングアイランドに戻ってきて、自動車修理工として働き始めます。そこで出会ったのが、核戦争を心配している大学進学予定の少女オードリー。町の人々はジョシュが昔何をしたのか正確に覚えていませんが、彼が恋人とその父親を殺したという噂があります。しかし、タイトルの「信じられない真実」が示すように、本当の真実は違っていました。二人は恋に落ちますが、ジョシュは過去の経験から関係を築くことに慎重になっています。

1990年のサンダンス映画祭でグランプリ審査員賞にノミネートされ、わずか75,000ドルという超低予算で製作されながら、54万ドルを超える興行収入を上げました。

この映画の特徴は、登場人物たちの変わった会話です。まるで舞台劇のような独特な話し方で、普通の恋愛映画とは全く違う雰囲気を作り出しています。

この映画が教えてくれるのは、「人は過去の間違いから立ち直ることができる」ということです。

また、「うわさや偏見に惑わされず、本当の相手を知ることが大切」だということも伝えています。小さな町での人間関係を通して、愛と許しの大切さを学べる作品です。

現代でも見に沁みるお話しです。

ロジャー&ミー

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(NO.0840)

監督:マイケル・ムーア

90分/アメリカ
原題または英題:Roger & Me
配給:ワーナー・ブラザース映画

舞台は監督の故郷、アメリカ・ミシガン州フリント市。大手自動車会社ゼネラル・モーターズ(GM)が工場を閉鎖したため、約30,000人の労働者が仕事を失い、街は急速に荒れ果てていきます。ムーア監督は、GMの社長ロジャー・スミスに直接会って「なぜこんなひどいことをしたのか」と問いただそうと奮闘します。しかし、大企業の社長に会うのは簡単ではありません。その過程で、失業した人々の苦しい生活や、街の変わり果てた姿が映し出されます。

有名な映画批評家ジーン・シスケルとロジャー・イーバートが共に1989年の年間ベスト映画に選び、ロサンゼルス映画批評家協会の最優秀ドキュメンタリー賞も受賞しました。2013年には米国国立フィルム登録簿に「文化的・歴史的に重要な作品」として保存選定されました。

この映画をきっかけに、ドキュメンタリー映画としてのマイケル・ムーアの名前が知れわたるようになりました。

深刻な社会問題をユーモアを交えて描いている、独特の切り口です。ムーア監督の皮肉な語り口や突撃取材が面白くもあり、同時に考えさせられます。

大きな会社の決定が、普通の人々の生活を大きく変えてしまうという現実を上手く伝えているのです。

おかしいと思ったことには声を上げ続けることが大切だというメッセージも感じますね。

セックスと嘘とビデオテープ

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0841)

監督:スティーブン・ソダーバーグ

100分/アメリカ
原題または英題:Sex, Lies, and Videotape
配給:日本ヘラルド映画

舞台はアメリカ・ルイジアナ州バトンルージュ。主婦のアンは弁護士の夫ジョンとの関係がうまくいっていません。実は、夫は彼女の妹シンシアと秘密の関係を持っています。そこにジョンの大学時代の友人グレアムがやってきて、4人の関係が複雑に絡み合います。この映画は大人の複雑な人間関係と心の内面を描いた心理ドラマです。

1989年のカンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを獲得。サンダンス映画祭でも観客賞を受賞し、2006年には米国国立フィルム登録簿に「文化的・歴史的に重要な作品」として保存選定されました。

この映画の特徴は、派手なアクションではなく、登場人物たちの会話を通して人間の心の複雑さを描いていることです。わずか120万ドルという低予算で製作されましたが、世界中で3670万ドルの興行収入を上げ、その後のインディペンデント映画の可能性を示しました。

人は誰でも秘密を持っているが、正直になることで本当の関係を築けるということでしょうか。

大人向けの内容を扱っていていろいろ考えるところはありますが、人間関係の大切さを考えさせてくれる作品なのです。

非情城市

画像引用元:Rotten Tomatoes

(NO.0842)

監督:侯孝賢(ホウ・シャオシェン)

159分/台湾
原題または英題:City of Sadness 悲情城市
配給:大映=東宝東和

台湾映画として初めてヴェネツィア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞した作品です。

舞台は1940年代後半の台湾。第二次世界大戦が終わり、日本の統治が終わった後、中国大陸から国民党政府がやってきました。しかし、1947年に「二・二八事件」という大きな悲劇が起こります。これは、たばこの密売をしていた女性が警察に暴行を受けたことをきっかけに市民が抗議デモを行い、政府軍が多くの台湾人を殺害した事件です。映画は基隆に住む林家の四兄弟を通して、この激動の時代に普通の家族がどのような苦しみを味わったかを描いています。

1989年のヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞し、台湾映画が世界に注目されるきっかけとなりました。

この映画の特徴は、大きな歴史の出来事を家族の日常生活を通して描いていることです。派手なアクションはありませんが、長い時間をかけてじっくりと人物を映すことで、登場人物の気持ちが伝わってきます。

特に、言葉を話せない弟(トニー・レオンが演じた)の存在は、声を奪われた台湾の人々を象徴しています。

大きな歴史の変化の中でも、家族の愛や人間の尊厳は失われないということを感じさせてくれます。そんなメッセージを感じとってみましょう。

セイ・エニシング

画像引用元:映画.com

(NO.0843)

監督:キャメロン・クロウ

101分/アメリカ
原題または英題:Say Anything
配給:20世紀フォックス

青春映画の定番として今も語り継がれる作品です。物語は、将来の夢をまだ定めていないが誠実な青年ロイドと、成績優秀で親の期待を一身に背負う少女ダイアンの恋愛を中心に描かれます。卒業後の進路や親との関係など、現実の重圧を抱えながらも、二人が不器用に愛を育んでいく姿が瑞々しく描かれています。

青春映画に誠実さと深みを与えた傑作でもあり、シンプルなラブストーリーにリアルな人間ドラマが込められています。観客からも「初恋の不安と高揚感を思い出す」「80年代青春映画の最高峰」と支持を集めています。

見どころは、ロイドがブームボックスを掲げてダイアンの家の外で音楽を流す、映画史に残る名シーン。この象徴的な瞬間は、恋の純粋さと大胆さを体現しています。また、ジョン・キューザックの親しみやすい魅力と、クロウ監督の温かな視点が、登場人物たちを等身大に映し出しています。親子の確執や将来への不安といったテーマが、ただの甘い青春物語にとどまらない深みを与えています。

未来が見えない時でも、誠実さと愛が人を支えてくれるということを感じとってみましょう。

人生に迷いはつきものですが、相手を思う真っ直ぐな気持ちこそが道を切り拓く力になるのだと伝えています。

恋愛映画としても青春の成長物語としても心に響く名作。観終えた後、甘酸っぱい記憶とともに、自分自身のあの頃を振り返りたくなるでしょう。

鉄男

画像引用元:映画.com

(NO.0844)

監督:塚本晋也

67分/日本

配給:Kaijyu Theater

塚本晋也監督自身による自主配給から始まった、日本のインディペンデント映画史に残る実験的作品です。わずか67分の短編でありながら、圧倒的なエネルギーと独創性で世界中に衝撃を与えました。

鉄くずを自分の体に埋め込む奇怪な男性と、交通事故をきっかけに自らの体が徐々に金属と融合していくサラリーマンを描いています。人間と機械の境界が曖昧になっていく過程を、激しい音響とスピード感あふれるモノクロ映像で表現した独特な作品です。

「サイバーパンク映画の金字塔」として世界中で高く評価され、デヴィッド・リンチやデヴィッド・クローネンバーグの系譜に連なる革新的な作品と言われます。低予算で制作されたにも関わらず、その圧倒的な想像力と独創性により、日本の実験映画を国際的に知らしめた作品となりました。

人体が機械化していく過程を描いた独特な特殊効果と、疾走感あふれる編集技術が印象的です。塚本晋也監督自身も出演し、狂気的なキャラクターを演じています。特にクライマックスの暴走シーンは、映像表現の可能性を極限まで押し広げた圧巻の仕上がりです。

人間とテクノロジーの関係について考えさせられます。現代社会では機械化やデジタル化が急速に進んでいますが、便利さと引き換えに私たちが失っているものはないでしょうか。

人間らしさとは何か、テクノロジーとどう向き合うべきかという現代的な問題を提示しているのです。

まとめ

この記事では、『死ぬまでに観たい映画1001本』のうち、1985年~1989年までの、80年代後半作品の概要をお伝えしました。

かんとくさん

レインマンはカードを一瞬で数えたんだね

おともだち

ぼくは財布の中身を一瞬で数え終わったよ

あおい

財布の中身がないということですか?

『死ぬまでに観たい映画1001本』の完全リストはこちらです。

80年代前半の概要はこちら

90年代の概要はこちら

2000年代の概要はこちら

2010年代の概要はこちら

2020年代の概要はこちら

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この記事を書いた人

映画は人生の羅針盤を使うための大きなツールの一つです。
いい映画を紹介するというだけではなく、人生の考え方や人間関係などの悩みなどでお役に立てればと思っています。
映画はあなたの人生に必ず役に立てる時がありますので、いっしょに解決していきましょう。

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