この記事では、『死ぬまでに観たい映画1001本』全リスト作品の概要を簡単に説明しています。
全部は紹介しきれないので年代別に分けています。ここでは、2020年代の作品を紹介します。
このリストにおいて一番新しい作品が並んでいるので、馴染みのある映画が数多くあるかと思います。あまり映画を見慣れていない人は、ここから興味あるものを鑑賞していくことをおすすめします。

今日も映画を見るぞ





いいですねえ
どんな内容の映画なのか?という説明は簡潔にして、その映画を鑑賞して深く心に刻んだ時に、人生のどんな時に思い出してほしいか?という方向性で解説しています。
興味がある作品はどんどん鑑賞していきましょう。
そして次の興味を引き出して、映画ライフを充実させていきましょう。

何の映画を見ようかな?





ここでは2020年以降の新しくリストに出てきた作品を紹介します。

馴染みのある作品が多いですねぇ





逆に、何の映画がリストに入っているのか興味を掻き立てるかもしれません
順番に見ると長いのでリストから見ていくといいですよ。
2020年

スモール・アックス第2話 ラヴァーズ・ロック

画像引用元:映画.com
(NO.1232)
監督:スティーヴ・マックイーン
70分/イギリス
原題または英題:Small Axe: Lovers Rock
1980年のロンドンで開かれた一晩限りのホームパーティーを描いた作品です。スティーヴ・マックィーン監督が、音楽とダンスを通して、当時のイギリスに住む西インド系の人々の文化と喜びを映し出しています。
この映画は、5つの作品からなる「スモール・アックス」シリーズの2作目で、70分という短い時間の中で、パーティーに集まった若者たちの恋愛や友情を描いています。特に、マーサという女性とフランクリンという男性の出会いが中心となっています。
音楽と踊りで表現された黒人コミュニティの喜びを描いた傑作です。
この映画の最大の魅力は、ほぼ全編がパーティーの場面で構成されていることです。レゲエやラヴァーズロックという音楽が流れる中、人々が踊り、話し、恋をする様子が詩的に描かれています。
社会で差別や困難に直面している人々も、音楽や文化を通じて喜びや希望を見つけることができるということを教えてくれます。
『ラヴァーズ・ロック』は映画として撮影・編集されているものの、初公開は劇場ではなくBBC Oneでのテレビ放送とAmazon Prime Videoでの配信でした。
劇場で一般公開される機会はなく、映画祭での上映はあったものの、発表形態がテレビ・配信中心だったため、多くのメディアやアワードではドラマ(TV作品)として分類されます。このため、映画的表現とテレビ的公開形態が混ざった、少し珍しい立ち位置の作品になっています。
ただし、イギリスでは劇場で上映されています。
80年代ロンドンのブラック・ブリティッシュ文化を音楽とダンスだけで鮮烈に描き切り、社会的背景やコミュニティの喜びを詩的に表現した点が衝撃でした。
芸術性・文化的意義・映像的完成度が「映画」として評価され、イギリスの映画専門誌『Sight & Sound』の2020年ベスト映画投票ではなんと1位に輝いている作品。1001本のリストに加えられた背景はこういうところなのかもしれません。
マ・レイニーのブラックボトム

画像引用元:映画.com
(NO.1233)
監督:ジョージ・C・ウルフ
94分/アメリカ
原題または英題:Ma Rainey’s Black Bottom
配信:Netflix
1927年のシカゴにあるレコーディングスタジオを舞台にした映画です。「ブルースの母」と呼ばれた伝説の歌手マ・レイニーと、野心的な若いトランペット奏者リーヴィーの物語を描いています。
アメリカの有名な劇作家オーガスト・ウィルソンが1982年に書いた舞台劇を、ジョージ・C・ウルフ監督が映画化したものです。2020年にNetflixで配信が始まりました。
多くの批評家が「ヴィオラ・デイヴィスとチャドウィック・ボーズマンの素晴らしい演技」「ブルース音楽の歴史と黒人文化への愛情深い敬意」と称賛しています。特に、この作品がボーズマンの遺作となったことで、彼の最高の演技として多くの人に記憶されています。
マ・レイニーの強烈な個性と、リーヴィーの夢と怒りが交錯する姿が印象的に描かれています。また、1920年代の衣装や音楽の再現も見事で、当時の雰囲気を感じることができます。
差別や偏見のある社会の中でも、自分らしさや夢を諦めずに生きることが大切です。また、音楽や芸術が人々にとってどれほど重要な意味を持つのか、そして人として尊重されることの価値を考えてみましょう。
17歳の瞳に映る世界

画像引用元:映画.com
(NO.1234)
監督:エリザ・ヒットマン
101分/PG12/アメリカ
原題または英題:Never Rarely Sometimes Always
配給:ビターズ・エンド、パルコ
主人公は、ペンシルベニア州の小さな町に住む17歳の少女オータム。彼女は妊娠していることがわかりますが、地元では親の同意なしに中絶手術を受けることができません。そこで、いとこのスカイラーと一緒にニューヨークへ向かうことになります。
この映画は、お金もあまりなく、頼れる大人もいない二人の少女が、困難な状況の中で助け合いながら旅をする物語です。101分という時間の中で、静かながらも心に響くドラマが描かれています。
多くの批評家が「静かで力強い」「押しつけがましくない社会派ドラマ」として称賛しました。いい得て妙です。
この映画の最大の魅力は、過剰な演出を避けた自然でリアルな描写です。言葉よりも表情や仕草で感情を伝える繊細な演出が印象的で、オータムとスカイラーの深い信頼関係も心に残ります。特に、タイトルにもなっている「Never, Rarely, Sometimes, Always」(全くない、めったにない、時々ある、いつもある)という言葉が出てくるカウンセリングのシーンは、観客の心を強く揺さぶる場面として多くの人に記憶されています。
自分の人生を自分で決める権利がどれほど大切で、それが様々な理由で制限される現実の厳しさを味わってみてください。
困難な時に支えてくれる人がいることの心強さや、友情の大切さについても考えてみましょう。
ノマドランド

画像引用元:映画.com
(NO.1235)
監督:クロエ・ジャオ
108分/G/アメリカ
原題または英題:Nomadland
配給:ディズニー
主人公のファーンは、夫を亡くし、住んでいた町の工場も閉鎖されて仕事を失ってしまいます。そこで彼女は家を売り払い、キャンピングカーで全米を旅しながら季節ごとの仕事をして生活する「ノマド(遊牧民)」として生きることを選びます。
この映画には、実際にキャンピングカーで生活している本物のノマドの人たちも出演しています。そのため、まるでドキュメンタリーを見ているような本当らしさがあります。
世界中で高く評価され、アカデミー賞の作品賞、監督賞、主演女優賞の3つを受賞しました。海外の映画評価サイトでも90%以上の高得点を獲得しています。
見どころは、アメリカの広大で美しい自然の風景と、静かで心に響く物語です。派手なアクションやドラマチックな展開はありませんが、人の心の動きを丁寧に描いています。
この映画からは「本当の『家』とは建物ではなく、心の居場所のこと」「人生で大切なのは、たくさんの物を持つことではなく、人とのつながり」「つらいことがあっても、新しい生き方を見つけることができる」ということを学べます。現代社会の問題を静かに考えさせてくれる作品です。
ソウルフル・ワールド

画像引用元:映画.com
(NO.1236)
監督:ピート・ドクター
101分/アメリカ
原題または英題:Soul
配給:ディズニー
ディズニー・ピクサーが作ったアニメーション映画です。監督はピート・ドクターで、『インサイド・ヘッド』や『モンスターズ・インク』も手がけた有名な監督です。
主人公のジョー・ガードナーは、ニューヨークで中学校の音楽の先生をしているジャズピアニストです。彼はずっと夢だったプロのジャズ演奏の仕事が決まった日に、事故で命を落としそうになってしまいます。そして魂だけの存在となり、「あの世」と「この世」の間にある「ソウルの世界」に迷い込みます。
そこで彼は、まだ地球に生まれたことがない魂の「22番」と出会います。22番は地球に行くのを嫌がっている変わった魂です。ジョーは現世に戻るために22番と協力することになり、お互いに大切なことを学んでいきます。
この映画は世界中で高く評価されました。美しいアニメーションとすばらしいジャズ音楽は見どころの一つ。特に、ジョーがピアノを演奏するシーンは本物のようにリアルです。
人生の目的は、有名になることや特別な才能を持つことだけではなく、毎日の小さな幸せにもあるということを痛感します。友達と話すこと、美味しいものを食べること、そんな当たり前のことに幸せを感じる、そういうことに目を向けてほしいです。
難解な映画ですが感動作でもあり、人生考えることが多くありますね。
TENET テネット

画像引用元:映画.com
(NO.1237)
監督:クリストファー・ノーラン
150分/G/アメリカ
原題または英題:Tenet
配給:ワーナー・ブラザース映画
この映画の主人公は名前が明かされない謎の男性で、世界を救うための特別な任務を受けます。その任務とは「時間を逆行する技術」を悪用しようとする悪い組織を止めることです。時間の逆行とは、物や人が時間を逆向きに進むことで、とても不思議で複雑な現象です。
主人公は相棒のニールと一緒に、普通の時間と逆向きの時間が混ざり合う中で戦いを繰り広げます。
映像の迫力と独創性は相変わらずです。ただし「とても難しい内容で、何度も見ないと理解できない」という人を責めることはできません。
見どころは、今まで見たことがないような映像です。弾丸が銃に戻っていったり、爆発が逆向きに起こったりする不思議なアクションシーンが満載です。
この映画からは「過去は変えられないが、今の行動で未来は変えられる」「時間の大切さ」「難しい問題でも諦めずに挑戦することの重要さ」を学ぶことができます。
とても複雑な映画ですが、映像体験としては忘れられない作品です。
アイダよ、何処へ?

画像引用元:映画.com
(NO.1238)
監督:ヤスミラ・ジュバニッチ
101分/PG12/ボスニア・ヘルツェゴビナ・オーストリア・ルーマニア・オランダ・ドイツ・ポーランド・フランス・ノルウェー合作
原題または英題:Quo vadis, Aida?
配給:アルバトロス・フィルム
1995年にボスニア・ヘルツェゴビナで実際に起きた「スレブレニツァ虐殺」という出来事をもとにしています。
主人公のアイダは、国連で通訳の仕事をしている女性です。戦争中、彼女が住む町は「安全な場所」とされていましたが、敵の軍隊が迫ってきます。アイダは通訳として大切な情報を知る立場にいるため、自分の夫と息子たちの命が危険だということも分かってしまいます。彼女は仕事の責任と家族を守りたい気持ちの間で、とても苦しい選択を迫られます。
見どころは、アイダの視点から描かれる緊張感です。派手な戦闘シーンはありませんが、だんだんと迫ってくる危険と、何もできない無力感がとてもリアルに伝わってきます。
この映画からは「戦争がどれほど普通の人々を苦しめるか」「組織や国際社会の判断の遅れが多くの命を危険にさらすこと」「それでも自分にできることを諦めない強さの大切さ」を感じ取ることができます。
歴史の悲劇を忘れないためにも重要な作品です。
2021年

スーヴェニア 私たちが愛した時間Part1&2

画像引用元:映画.com
(NO.1239)
スーヴェニア 私たちが愛した時間
監督:ジョアンナ・ホッグ
2019年製作/119分/イギリス・アメリカ
原題または英題:The Souvenir
配給:「ザ・スーベニア 魅せられて」のタイトルで、スターチャンネルで放映
スーヴェニア Part II(監督は同じ)
2021年製作/107分/イギリス・アメリカ
原題または英題:The Souvenir Part II
配給:スターチャンネルで放映のみ
1980年代のロンドンが舞台の2部作です。映画監督になりたい裕福な学生のジュリーが主人公。Part1では、彼女が年上のミステリアスな男性アンソニーと恋に落ち、だんだんその関係に依存してしまいます。Part2では、アンソニーが亡くなった後、ジュリーが悲しみを乗り越えて自分の映画を作ることで、本当の自分を見つけていく物語です。
監督のジョアンナ・ホッグが自分の実体験をもとに作った映画です。
「映画を作ることで人生を立て直す」という、映画の中で映画を作る面白い構造が特徴です。1980年代のロンドンの街並みや雰囲気がとてもリアルに再現されています。また、主人公の気持ちを直接的なセリフではなく、表情や間(沈黙)で表現する繊細な演出も魅力です。
「つらい経験も決して無駄ではない」ことを教えてくれる映画でもあります。失恋や大切な人を失うことは悲しいですが、それらの経験が後の人生で大きな力になることがあります。
過去の出来事を単なる思い出にするのではなく、自分なりに意味を見つけて新しいことを始めようとする、こういう姿勢が大切であることを静かに伝えています。
DUNE/デューン 砂の惑星 1とpart2(2021,2024)(二部作)

画像引用元:映画.com
(NO.1240)
DUNE デューン 砂の惑星
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
155分/G/アメリカ
原題または英題:Dune
配給:ワーナー・ブラザース映画
デューン 砂の惑星 PART2(監督は同じ)
166分/G/アメリカ
原題または英題:Dune: Part Two
配給:ワーナー・ブラザース映画
フランク・ハーバートという作家が書いた有名なSF小説を映画化した2部作です。遠い未来、宇宙で最も貴重な資源「スパイス」が採れる砂漠の惑星アラキスが舞台です。主人公のポール・アトレイデスは貴族の息子ですが、敵のハルコンネン家の陰謀で家族を失い、惑星の先住民フレメンと一緒に生活することになります。Part1では家族を失う悲劇が、Part2ではポールがフレメンのリーダーとして成長し、復讐を果たす物語が描かれます。
美しく迫力ある映像と、ハンス・ジマーという有名な作曲家が作った重厚な音楽が特に評価され、「新しい時代のSF映画の代表作」と呼ばれています。
何といっても圧倒的な映像の美しさです。広大な砂漠を泳ぐ巨大な生物「サンドワーム」や、未来的な宇宙船、フレメンの神秘的な文化など、まるで本当にその世界にいるような体験ができます。IMAX映画館で見ると、その迫力は格別です。また、運命に翻弄されながらも強く成長していくポールの姿も感動的です。
困難な運命に負けず、自分の道を切り開く大切さを教えてくれます。また、自分とは違う文化の人たちを理解し、一緒に協力することをよく心に留めておいてほしいと願います。大変な状況に直面したとき、どう行動すべきかというメッセージがあるのです。
ドライブ・マイ・カー

画像引用元:映画.com
(NO.1241)
監督:濱口竜介
179分/PG12/日本
配給:ビターズ・エンド
村上春樹の短編小説を、濱口竜介監督が映画化した作品です。主人公の家福悠介は舞台俳優で演出家ですが、大切な妻を病気で亡くしてしまいます。悲しみを抱えたまま、演劇祭の仕事で広島を訪れた家福は、無口な女性ドライバーのみさきと出会います。二人で車に乗って移動する時間を通じて、家福は今まで見て見ぬふりをしてきた自分の心の傷と向き合い、少しずつ立ち直っていきます。
カンヌ国際映画祭では日本映画として初めて脚本賞を受賞し、アカデミー賞でも国際長編映画賞を受賞しました。静かでゆっくりとした映画なのに、人の心の奥深くまで描いた物語として、多くの批評家から「傑作」と評価されています。
車の中で交わされる静かで丁寧な会話がとても印象的です。チェーホフという作家の戯曲『ワーニャ伯父さん』のセリフが物語と重なって、登場人物たちの気持ちを表現しています。また、美しい風景を背景に、人の心の変化を映し出す映像もとても美しいです。
言葉や芸術を通して少しずつ心を開いていく登場人物たちの姿から、コミュニケーションの大切さを学べます。つらい過去を受け入れ、他の人と話すことで、人は再び前に進むことができるという、心温まるメッセージが込められた作品です。
ビジネス用語でよく言われる「潜在意識」と「顕在意識」というものを考えてしまいます。自分でも、普段は自覚できない意識を潜在意識というのですが、映画では徐々に変わっていく姿が丁寧に描かれています。
パワー・オブ・ザ・ドッグ

画像引用元:映画.com
(NO.1242)
監督:ジェーン・カンピオン
128分/G/イギリス・オーストラリア
原題または英題:The Power of the Dog
配信:Netflix
1925年のアメリカ・モンタナ州が舞台の心理サスペンス映画です。主人公のフィル・バーバンクは、粗野で威圧的な牧場主です。優しい弟ジョージが、息子のいる未亡人ローズと結婚したことに腹を立て、ローズとその息子ピーターをいじめます。しかし、フィルがピーターと関わるようになると、物語は思いもよらない方向に進んでいきます。タイトルの「犬の力」は聖書の言葉から取られており、「邪悪な力」という意味があります。
ヴェネツィア国際映画祭で監督賞を受賞し、アカデミー賞では最多の12部門でノミネートされ、監督賞を受賞しました。Netfilx作品では最高の評価とも!?
美しいモンタナの大自然を背景に、登場人物たちの間で繰り広げられる静かで緊張感のある心理戦が魅力です。一見すると乱暴で嫌な人に見えるフィルにも隠された事情があり、繊細に見えるピーターにも意外な一面があります。最後まで予想がつかない展開と、衝撃的な結末が印象的です。
人は見た目だけでは分からないということでしょうか。誰にでも秘密や コンプレックスがあり、それが行動に影響していることがあります。人間関係の複雑さと、真実を見抜く目を養うこと。現代社会でも痛感しますね。
007/ノー・タイム・トゥ・ダイ

画像引用元:映画.com
(NO.1243)
監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
164分/G/アメリカ
原題または英題:No Time to Die
配給:REGENTS
世界中で愛されているスパイ映画「007」シリーズの最新作で、ダニエル・クレイグが演じるジェームズ・ボンドの最後の作品です。現役を引退して静かに暮らしていたボンドでしたが、ある科学者が誘拐される事件をきっかけに、再びスパイとして活動することになります。今回の敵は、世界を脅かす恐ろしい武器を持つ謎の黒幕です。これまでの因縁に決着をつける、ボンドの壮大な最終章となっています。
「ダニエル・クレイグのボンドにふさわしい感動的な結末」と絶賛されました。世界的に興行収入も大成功し、アカデミー賞では主題歌賞を受賞しました。
迫力満点のカーチェイスやアクションシーンはもちろんですが、今回はボンドの人間らしい一面が深く描かれているのが特徴です。愛する人との関係や、ボンド自身の心の葛藤が物語の中心になっています。また、過去のシリーズ作品へのオマージュ(敬意を表した演出)も多く含まれており、長年のファンも新しいファンも楽しめる内容になっています。
この映画は「人は過去から逃げることはできず、いつか向き合わなければならない」ことを教えてくれます。また、大切な人を守るために自分を犠牲にするボンドの姿から、「本当に守りたいものは何か」「自分の使命とは何か」を考えさせられます。
自分の運命を受け入れ、最後まで自分らしく生きていきましょう。
秘密の森の、その向こう

画像引用元:映画.com
(NO.1244)
監督:セリーヌ・シアマ
73分/G/フランス
原題または英題:Petite maman
配給:ギャガ
8歳の女の子ネリーが主人公の、不思議で心温まる物語です。おばあちゃんが亡くなったため、ネリーは両親と一緒におばあちゃんの家を片付けに行きます。そこでネリーは近くの森で、自分と同じ年くらいの女の子マリオンと出会い、すぐに仲良くなります。しかし、だんだんとマリオンが実は子ども時代のお母さんだということが分かってきます。過去と現在が不思議に交わる中で、ネリーは家族の大切さを学んでいきます。
子どもの目線で丁寧に描かれた演出と、静かで美しい映像が絶賛されています。
何といっても、双子の姉妹が演じるネリーとマリオンの自然で可愛らしい演技が魅力です。難しい説明はなく、観る人が自分で想像できるような優しい作りになっています。森の美しい風景や、家の中に差し込む光など、一つ一つのシーンがまるで絵画のようで、73分という短い時間でも心に残る余韻があります。
親の気持ちを理解することで、家族の絆がより深まるかもしれません。また、大切な人を失う悲しみを優しく描いており、つらいことがあっても乗り越えていける心の強さを教えてくれます。家族との関係を見つめ直すきっかけをくれる、温かい作品です。
サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)

画像引用元:映画.com
(NO.1245)
監督:アミール・“クエストラブ”・トンプソン
118分/G/アメリカ
原題または英題:Summer of Soul (…Or, When the Revolution Could Not Be Televised)
配給:ディズニー
1969年の夏、ニューヨークのハーレム地区で開催された「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」という音楽祭を記録したドキュメンタリー映画です。この音楽祭は、有名なウッドストック・フェスティバルと同じ年に行われましたが、なぜか50年以上もの間、映像が公開されませんでした。この映画では、その貴重な映像を発掘し、スティーヴィー・ワンダーやニーナ・シモンなどの伝説的なアーティストたちの素晴らしいパフォーマンスと、当時の人々の熱気を現代によみがえらせています。
監督は有名音楽グループ「ザ・ルーツ」のドラマー、アミール・”クエストラブ”・トンプソンで、これが初めての映画監督作品でした。それにもかかわらず、サンダンス映画祭でグランプリと観客賞の両方を受賞し、アカデミー賞でも長編ドキュメンタリー賞を受賞しました。
何といっても、若いスティーヴィー・ワンダーがドラムを叩きながら歌う姿や、ニーナ・シモンの心を揺さぶる歌声など、伝説的なアーティストたちの貴重なライブ映像が最大の魅力です。また、当時のファッションや観客の生き生きとした表情からも、1960年代のアメリカの文化と歴史を感じることができます。
音楽が人々に希望を与え、困難な時代を乗り越える力になることも実感できます。自分の住む地域の歴史や、身近なコミュニティに目を向けるきっかけを与えてくれる作品です。
MEMORIA メモリア

画像引用元:映画.com
(NO.1246)
監督:アピチャートポン・ウィーラセータクン
136分/G/コロンビア・タイ・イギリス・メキシコ・フランス・ドイツ・カタール合作
原題または英題:Memoria
配給:ファインフィルムズ
スコットランド人の女性ジェシカが、南米のコロンビアの首都ボゴタを訪れた時から始まる不思議な物語です。ある日から、ジェシカにだけ聞こえる謎の「音」が聞こえるようになります。その音がとても気になったジェシカは、音の正体を探そうとします。その過程で、様々な場所を訪れ、いろいろな人と出会いながら、コロンビアの隠された歴史や神秘的な世界を体験していきます。
とても静かで瞑想的な雰囲気の映画として世界中で高く評価されています。特に、音の使い方がとても上手で、多くの批評家や観客に深い印象を与えました。
この映画の最大の特徴は、とても丁寧に作られた「音」と「映像」です。普通の映画のようにたくさんの会話や派手なアクションはありませんが、代わりに長い沈黙や日常の小さな音が、観る人をまるでその場にいるような不思議な気持ちにさせます。物語を理解するというより、体験することを重視した珍しいタイプの映画です。
普段私たちが気にしていない「音」や「記憶」に注意を向けてみましょう。
忙しい毎日から少し離れて、周りの音に耳を澄ませたり、自分の感覚を大切にしたりすることで、今まで見逃していた新しい発見や、自分の心の声に気づくことができるかもしれません。ゆっくりと時間をかけて世界を感じてみましょう。
コーダ あいのうた

画像引用元:映画.com
(NO.1247)
監督:シアン・ヘダー
112分/PG12/アメリカ・フランス・カナダ合作
原題または英題:CODA
配給:ギャガ
アメリカの漁師町に住む高校生のルビーは、家族の中で唯一耳が聞こえる「CODA」です。CODAとは「耳の聞こえない両親を持つ子ども」という意味です。ルビーは家族の通訳として漁業の手伝いをしながら、歌うことにひそかな情熱を抱いています。しかし、家族を支えたい気持ちと、自分の夢である歌手を目指したい気持ちの間で悩み、大きな決断を迫られることになります。
この映画はサンダンス映画祭で史上最多の4つの賞を受賞し、アカデミー賞でも作品賞、助演男優賞、脚色賞の3部門を受賞しました。
家族の絆と個人の夢という、誰もが共感できるテーマを、笑いと感動を交えて描いているところが魅力です。特に、ルビーが歌うシーンでは、その美しい歌声だけでなく、手話や表情を通して家族への愛情や心の葛藤が表現されており、観る人の心を深く動かします。家族の日常がとてもリアルに描かれており、笑いと涙のバランスが絶妙です。
「コミュニケーションは言葉だけではない」という大切なことを学びましょう!
お互いを理解しようと努力し、尊重し合うことで、家族や大切な人との絆はより深くなることが分かります。また、自分の夢を追いかけることと、家族を大切にすることの両方が重要で、そのバランスをどう取るかを考えさせてくれる作品です。
2022年

aftersun/アフターサン

画像引用元:映画.com
(NO.1248)
監督:シャーロット・ウェルズ
101分/G/アメリカ
原題または英題:Aftersun
配給:ハピネットファントム・スタジオ
『アフターサン』は、11歳の女の子ソフィと若い父親カラムが、トルコのリゾートで過ごした夏休みを描いた映画です。でも、これはただの思い出話ではありません。大人になったソフィが、20年前の家族ビデオを見返しながら、あの時は気づかなかった父の本当の姿を理解しようとする物語なのです。
映画の中では、楽しそうに遊ぶ父と娘の姿が映し出されます。プールで泳いだり、カラオケを歌ったり、一緒にご飯を食べたり。でも、よく見ると、父親のカラムは時々一人で悲しそうな顔をしています。11歳のソフィには、お父さんが心の中で何か大きな悩みを抱えていることがわからなかったのです。
この映画の特別なところは、私たちの「記憶」について深く考えさせてくれることです。子どもの頃の思い出は、大人になってから見直すと、全く違う意味を持つことがあります。あの時は「楽しかった」としか思わなかった出来事も、今思い返せば、大切な人が私たちに見せないように隠していた苦しみがあったのかもしれません。
シャーロット・ウェルズ監督の初めての長編映画でありながら、世界中で高く評価され、主演のポール・メスカルはアカデミー賞にノミネートされました。
言葉では説明しきれない、家族の愛と切なさを映像で表現した、心に残る作品です。
TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー

画像引用元:映画.com
(NO.1249)
監督:ダニー・フィリッポウ、マイケル・フィリッポウ
95分/PG12/オーストラリア
原題または英題:Talk to Me
配給:ギャガ
母親を亡くして心に傷を抱える17歳のミアは、友達に誘われて不思議な「遊び」に参加します。それは、防腐処理された謎の「手」を握って「トーク・トゥ・ミー(話しかけて)」と言うと、死んだ人の霊が体に入ってくるという危険なゲームでした。
最初はスリルを楽しむためのパーティーゲームとして、みんなで動画を撮ってSNSにアップしていました。霊に取り憑かれる瞬間は、まるでドラッグのような快感があり、若者たちは次々とこの遊びにハマっていきます。しかし、ルールを破ってしまったミアたちは、恐ろしい出来事に巻き込まれていきます。
この映画を作ったのは、YouTubeで有名だったダニー&マイケル・フィリッポウという双子の兄弟です。初めての長編映画なのに、世界中で大ヒットし、批評家からも94%という高い評価を受けました。特に、SNSで危険な遊びが流行る現代の怖さを描いている点が評価されています。
みんながやっているからといって危険なことに手を出してはいけない、日本人はかみしめてほしいです。
SNSで「いいね」をもらうために無茶をしたり、心の弱っているときに危ないものに頼ったりすることの恐ろしさを、ホラー映画という形で投げかけていきます。自分の心と向き合い、困ったときは信頼できる大人に相談することは大切です。
落下の解剖学

画像引用元:映画.com
(NO.1250)
監督:ジュスティーヌ・トリエ
152分/G/フランス
原題または英題:Anatomie d’une chute
配給:ギャガ
山の中の家で、作家のサンドラの夫サミュエルが謎の転落死をしました。彼は3階の窓から落ちて雪の上で亡くなっていたのです。事故?自殺?それとも殺人?サンドラは殺人の疑いをかけられ、裁判にかけられます。11歳の息子は目が不自由で、その日何が起きたのか見ていません。
裁判では、夫婦の普段の会話の録音や、けんかの様子、二人の過去が次々と明らかになります。でも、聞けば聞くほど、何が本当なのかわからなくなってきます。サンドラは無実を主張しますが、証拠は彼女に有利なものも不利なものもあり、まるでパズルのピースがバラバラのままです。
この映画の特別なところは、最後まで「答え」を教えてくれないことです。観る人それぞれが、裁判官になったつもりで真実を考えなければなりません。カンヌ映画祭で最高賞のパルムドールを受賞し、アカデミー賞でも脚本賞を受賞した作品です。
真実は見る人の立場によって違って見えるのです。私たちは普段、自分が見聞きしたことだけで物事を判断しがちですが、相手の立場に立って考えることを考えてみましょう。人を簡単に決めつけず、いろいろな角度から物事を見る。そんなことを味わってみてください。
2023年

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

画像引用元:映画.com
(NO.1251)
監督:マーティン・スコセッシ
206分/PG12/アメリカ
原題または英題:Killers of the Flower Moon
配給:東和ピクチャーズ
1920年代のアメリカ・オクラホマ州。アメリカ先住民のオセージ族は、自分たちの土地から石油が見つかり、当時のアメリカで最も裕福な人々になりました。しかし、その富を狙った白人たちによって、オセージ族の人々が次々と殺されていきます。これは実際に起きた事件です。
映画は、オセージ族の女性モリーと、白人の夫アーネストの物語を中心に進みます。アーネストは妻を愛していながらも、叔父の悪だくみに加わってしまいます。3時間半という長い映画ですが、マーティン・スコセッシ監督は、この歴史の闇を丁寧に描きました。
主演のリリー・グラッドストーンは、アメリカ先住民の女優として初めてゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞しました。彼女の静かだけど力強い演技は、世界中で高く評価されています。レオナルド・ディカプリオとロバート・デ・ニーロの演技も見事です。
この映画が教えてくれるのは、お金や権力のために人を傷つけることの恐ろしさです。また、歴史の中で忘れられた人々の声に耳を傾けることも大切です。過去の過ちから学び、何がどう間違っているのか?そういうことを考えてくだけでも、じゅぶんに価値のある作品です。
全く立場の違う夫婦像も個性的に描かれています。ぜひ味わってください。
バービー

画像引用元:映画.com
(NO.1252)
監督:グレタ・ガーウィグ
114分/G/アメリカ
原題または英題:Barbie
配給:ワーナー・ブラザース映画
完璧でカラフルな「バービーランド」で、毎日がパーティーのように楽しく暮らしていたバービー。しかし、ある日突然「死」について考えるようになり、足が平らになってしまうなど、おかしなことが起こり始めます。その謎を解くため、バービーは相棒のケンと一緒に人間の世界へ旅に出ます。
バービーの世界をただのおもちゃの話ではなく、現代社会の問題を楽しく描いた作品にしました。
見どころは、ピンクだらけのバービーランドの美しさと、現実世界との違いです。プラスチックの家、本物の海がないビーチ、みんながいつも笑顔の世界。でも現実世界に行くと、バービーは初めて悲しみや不安を知ります。
人間、完璧でなくてもいいんです。バービーは最後に、シワや涙がある普通の人間になることを選びます。
私たちも、SNSで見せる「完璧な自分」ではなく、ありのままの自分を大切にすることが本当の幸せにつながるのです。当たり前のようですが、改めて教えてくれるのです。
オッペンハイマー

画像引用元:映画.com
(NO.1253)
監督:クリストファー・ノーラン
180分/R15+/アメリカ
原題または英題:Oppenheimer
配給:ビターズ・エンド
第二次世界大戦中、アメリカは「マンハッタン計画」という秘密の計画で原子爆弾を開発しました。その責任者だったロバート・オッペンハイマーという物理学者の人生を描いた映画です。彼は天才的な頭脳で原爆開発に成功しましたが、広島と長崎に落とされた爆弾が多くの人々の命を奪ったことに、深く苦しみました。
この映画は2024年のアカデミー賞で作品賞や監督賞など7つの賞を受賞しました。クリストファー・ノーラン監督は、時間を行ったり来たりさせる複雑な構成で、オッペンハイマーの心の中を表現しました。カラーとモノクロの映像を使い分け、まるでパズルのように物語を組み立てていきます。爆発シーンもCGではなく本物の爆発を撮影するなど、迫力ある映像が話題になりました。
3時間という長い映画ですが、科学者が自分の発明したものによって世界が変わってしまったことへの責任を感じる姿は、とても考えさせられます。自分の行動が社会にどんな影響を与えるか、科学の進歩は本当に人を幸せにするのか、そんな重い問題を投げかけてきます。
何かを作り出す力を持つということは、それを正しく使う責任も持つということ。この映画は、そんな大切なことを教えてくれます。
哀れなるものたち

画像引用元:映画.com
(NO.1254)
監督:ヨルゴス・ランティモス
142分/R18+/イギリス
原題または英題:Poor Things
配給:ディズニー
天才外科医ゴッドウィン・バクスターによって死から蘇った女性ベラ・バクスターは、まるで生まれたての子どものような純粋な心を持っていました。彼女は世間の常識や道徳観念に縛られることなく、自分の欲望と好奇心のままに生きていきます。性的な欲求も含めて、人間の本能に正直に行動する彼女の姿は、観る者に衝撃を与えます。
ベラは弁護士のダンカンと共にヨーロッパ各地を旅しながら、人生の喜びや悲しみ、社会の不条理を経験していきます。売春宿で働いたり、哲学を学んだり、様々な人々と出会う中で、彼女は次第に自分自身のアイデンティティを確立し、社会正義への関心も芽生えていきます。
ヨルゴス・ランティモス監督は、ビクトリア朝時代を舞台にしながらも、スチームパンク風の幻想的な映像美で観客を魅了します。エマ・ストーンの体当たりの演技は圧巻で、アカデミー賞主演女優賞を受賞。作品自体もヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞するなど、世界中で高い評価を受けました。
この映画が問いかけるのは、私たちが「正しい」と信じている価値観は本当に正しいのか、ということです。
社会のルールや他人の目を気にして生きることで、私たちは本当の自分を失っているのではないか。ベラの奔放で自由な生き方は、現代社会に生きる私たちに、もっと自分に正直に生きろ!というメッセージなのです。
君たちはどう生きるか

画像引用元:映画.com
(NO.1255)
監督:宮崎駿
124分/G/日本
配給:東宝
第二次世界大戦中、母親を火事で亡くした少年・眞人は、父と一緒に田舎の大きな屋敷に引っ越します。そこで眞人は、人間の言葉を話す不思議な青いサギと出会い、「お母さんが待っている」という言葉に導かれて、現実とは違う不思議な世界への扉を開きます。
この映画は、宮崎駿監督が7年かけて作った作品で、10年ぶりの長編アニメーション映画です。公開前にはほとんど情報が出されず、映画の内容は謎に包まれていました。それでも世界中で大ヒットし、2024年のゴールデングローブ賞とアカデミー賞で最優秀長編アニメーション賞を受賞しました。
宮崎監督らしい美しい手描きアニメーションですよね。青サギやペリカン、インコなど、不思議な生き物たちが住む異世界は、まるで夢の中のような世界です。眞人が経験する冒険は、私たちが人生で出会う悲しみや迷い、そして成長を表しています。
この映画は「君たちはどう生きるか」というタイトルが示すように、自分の人生をどう生きるか、自分で答えを見つけることが大切なんですね。
困難にぶつかったとき、自分と向き合い、自分なりの道を見つけていく勇気をもらえる作品です。
関心領域

画像引用元:映画.com
(NO.1256)
監督:ジョナサン・グレイザー
105分/G/アメリカ・イギリス・ポーランド合作
原題または英題:The Zone of Interest
配給:ハピネットファントム・スタジオ
第二次世界大戦中に実在したアウシュヴィッツ強制収容所の司令官ルドルフ・ヘスと、その家族の日常生活を描いています。
この映画の特徴は、収容所で起きている恐ろしいことを直接映さないことです。代わりに、収容所のすぐ隣で暮らすヘス一家の「普通の家庭生活」を淡々と映します。お母さんが庭仕事をしたり、子どもたちが遊んだりする日常的な風景の向こうで、とても悲惨なことが起きているという恐ろしい対比を描いています。
直接見せないからこそ、より恐ろしさが伝わるという感覚になっていきます。家族の笑い声や日常の音の奥に、収容所から聞こえてくる不気味な音が混じっています。
この映画からは「悪いことは特別な人だけがするのではなく、普通に見える人も加担することがある」「無関心でいることの怖さ」「歴史を忘れてはいけない」ということを学べます。
「悪は特別な怪物ではなく、普通の人の無関心から生まれる」というメッセージを込めています。
ヘス家族の無関心な日常は、現代の私たちが世界の問題に対して取る態度と重なり、観客が自分自身について『嫌な気持ちになりながら』考えさせられるような映画の作り方をしているのです。
異人たち

画像引用元:映画.com
(NO.1257)
監督:アンドリュー・ヘイ
105分/R15+/イギリス
原題または英題:All of Us Strangers
配給:ディズニー
ロンドンで一人暮らしをしている脚本家のアダムが主人公の映画です。アダムは子どもの頃に両親を亡くし、心を閉ざして生きてきました。ところが、不思議なことに故郷の家で昔のままの両親と再会し、同時に同じマンションに住む若いハリーとの恋も始まります。
この映画は、日本の作家・山田太一の小説『異人たちとの夏』をもとに、イギリスの監督アンドリュー・ヘイが作りました。2023年に公開され、幻想的でありながら現実的な愛の物語として話題になりました。
孤独と愛を深く描いた傑作です。
過去と現在が混じり合う不思議な世界観と、繊細で美しい映像が印象的です。アダムが両親に自分のことを打ち明けるシーンや、ハリーとの関係が深まっていく様子が、観る人の心に深く響きます。
人は誰でも孤独を感じることがあり、過去の傷を抱えながら生きています。でも、誰かとの出会いや愛情によって、その傷は癒され、前に進むことを選ばなければいけません。
まとめ

この記事では、『死ぬまでに観たい映画1001本』の2020年代作品の概要をお伝えしました。

「1000本なんて無理!」と思ったときが一本目の始まりですね





おっ、おぅ。そうですねぇ…..
『死ぬまでに観たい映画1001本』の完全リストはこちらです。

2000年代はこちら


2010年代はこちら
